カウアイ島の沿岸
カウアイ島でゴンドウクジラ5頭がビーチに乗り上げて死亡している姿が発見され、多くの目撃者が涙を流した。
2頭のコビレゴンドウクジラが13日午前7時30分にビーチで死亡し、その日の夜に当局がさらに3頭の死亡が確認されたと発表。13日には他にも数頭が水深の浅いエリアでもがいており、数人がクジラを沖へ戻そうと試み群れを誘導した。
「死亡した仲間のクジラを置き去りにしないように集まる姿に、大変心が痛みました」と、ネイティブ・ハワイアンでその文化を実践して生活しているカイウラニ・マフカさんは話す。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)で海洋哺乳類対策コーディネイターのデイビッド・スコフィールド氏は、今後数日間ビーチに乗り上げてしまうケースが続く可能性を指摘する。
「クジラが浜に乗り上げる理由は様々ですが、最も多いのは寄生虫、ウイルス、バクテリア等に感染した疾病によるものです。ゴンドウクジラはクジラの中でも大変高い社会性をもつ種であり、群れの1、2頭が病気になると群れ全体で岸へと向かいます。彼らを離れさせて沖へ戻すのは困難です」。
マフカさんはネイティブ・ハワイアンの文化実践者達がクジラの遺体の対処を引き受けるだろうと語る。
「後日、私達がクジラを埋葬できると聞きました。私達は大変傷ついています。クジラ達に何が起こったのか明らかにして欲しいと全員が望んでいます」と加えた。
マフカさんを含め、海軍のソナー試験が原因だと考えている人もいる。海軍のハワイ地域広報担当は、海軍の活動がクジラの乗り上げに影響を与えたことを示唆する事象は何もないとしながらも、訓練記録を公開しNOAAと協力する姿勢を明らかにした。
土地自然資源局は14日の段階で新たなゴンドウクジラの乗り上げは見られないと述べ、今後も監視を続けると発表した。
(日刊サン 2017. 10. 21)