デービッド・イゲ知事は6月に、一定の販売を挙げているオンラインビジネスをハワイ州の一般消費税の課税対象とする法案に署名した。しかし地元の税理士の多くがこの新しいEコマース法の、税徴収に関する法的問題を指摘している。 最高裁はウェイフェア社対サウスダコタ州の裁判で、年間売上額が10万ドル以上または取引数が200件以上のオンライン業者に消費者から州の消費税を徴収させると定めたサウスダコタ州法を支持した。 オンラインショッピングの隆盛による税収の損失という長年の懸念に応える判決となった。ハワイの税の専門家達は、ハワイ州における税収損失額は不明だが、最高裁はサウスダコタ州が損失した税収額を33億ドルと算出したと話す。実店舗の経営者達も、オンラインの競合業者は消費税のかからない取引で消費者を惹きつけているため不公平だと主張してきた。 しかし最高裁の判決はオンライン業者から州税の徴収を認める上では明白な内容と言えない。サウスダコタ州法が支持されたのは、小規模なオンライン業者に対し過度な州税負担からの保護が提示されているからだ。サウスダコタの州法は、州内における営業量に基準値を設け、遡及して税を徴収しないと定めている。
イゲ知事がサインし法令41号となった上院法案2514号も、税徴収対象のオンライン業者は年間売上10万ドル以上か年間取引数200件以上と定められている。しかし、ハワイの新法では税を遡及して徴収することを認めており、7月1日から発効とされたが今年の1月1日まで遡って徴収できる。さらにハワイは、全米の複数の州が加盟している売上税簡素化協定に参加していない。オンライン業者がハワイ州を相手取り訴訟を起こした場合、これらの点が問題になると見られている。「TaxFoundation ofHawaii」代表のトム・ヤマチカ氏もハワイの法律が問題を抱えていると話す。 ハワイの一般消費税の税率は小売販売、卸売販売、保険手数料の3つの区分に分かれているが、売上税簡素化協定に参加するには、消費税率を1つにまとめる必要があり税法の大幅な改正が求められるという。
(日刊サン 2018.07.07)