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オヒアを枯らす植物病カウアイ島にも広がる

Bynikkansan

5月 19, 2018

カウアイ島の北東エリアでオヒアの木を襲う植物病「ラピッド・オヒア・デス(ROD)」の発症を確認したことが、専門家の調査チームによって、11日に明らかにされた。

 

ハワイ島以外での発症は初。モロア森林保護区で発見された植物病の感染に、州や連邦機関、非政府組織は研究所での検査やドローン、ヘリコプターを導入して対策にあたっている。カウアイ島で結成されたチームに真菌を識別しサンプルを採取するトレーニングも行った。確認されたケラトシスティス・フリオヒアという病原菌は、ハワイ島の何万本ものオヒアを枯死させたRODの2つのうちの1つ。もう一方の病原菌よりは攻撃性が低いとされている。州の森林保護官ロブ・ハウフ氏は「この事態に希望を見出すとすれば、攻撃性が低い菌による感染であることです。しかしながら真剣に対処していかなければならないのは変わりません。新しい土地への枯死病の侵入であり、私達はこの状況に最善な対策を取りつつ調査を続けていきます」と述べた。

 

カウアイ地区森林野生動物課の植物学者アダム・ウィリアムス氏によると、RODとみられる症状で枯れているオヒアの木を少なくとも5本発見しているという。ハワイ島で4年以上前にRODが確認されて以来、森林13万5000エーカーに感染が広がり数百万本のオヒアの木が枯死した。このうち90%は、より攻撃的な病原菌ケラトシスティス・ルクオヒアの感染。攻撃的な菌は月単位で枯死まで進行するが、攻撃性の低い菌はその進行が年単位のペースだという。しかしどちらの菌の場合でも葉が茶色になり枯れる等、外見上の進行に違いはないと合衆国農務省のリサーチャー、リサ・キース氏は話す。同氏は有効な治療薬がないとも付け加えた。州の農務局は、ハワイ島からオヒアを輸送する際の現行の検疫規制をカウアイ島にも適用することを検討中。ROD拡大を予防するため、オヒアの木をカウアイ島外へ持ち出したり、島内でもオヒアの木を移動させないよう求めている。

 

(日刊サン 2018.05.18)