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ハワイ不動産ニュース:オアフの5月の住宅価格上昇、売上件数は減少

オアフの5月の住宅価格はわずかに上昇。金利の上昇による影響が懸念される中で、春の住宅購入シーズンの売上数は伸び悩んだ。

 

ホノルル不動産協会(HBR)が6日に公表したデータによると、5月の1戸建ての中間価格は前年同月の74万5000ドルから4.4%上昇し、77万8000ドルに。コンドミニアムは40万6500ドルから5.8%上昇した43万ドルだった。1戸建ての売上数は前年同月の362戸から332戸、コンドミニアムは540戸から495戸となり両カテゴリーとも8.3%の減少となった。なお、これらのHBRのデータは中古住宅のみが対象で、新築物件の売上数は計上されていない。

 

TZエコノミックス代表のエコノミスト、ポール・ブリューベーカー氏は「2011年以降住宅価格はローラーコースターというよりもエスカレーターのような上昇傾向です。この春までこの傾向は続いていますが、売上数の下降から金利の影響が出始めたことが読み取れます」と話す。

 

コンドミニアムの中間価格は3月の43万5000ドルに次ぐ価格となった。1戸建ての最高中間価格は2017年6月に79万5000ドルを記録している。中間価格は、その月に売上げた住宅の最高価格と最低価格の中間の価格。

 

不動産仲介業アロハ・ホームズの代表アイラ・ゴードン氏は、現状の市場には販売側と購入側のどちらかに有利という状況ではないと話す。「双方にとってより公平な市場になっています。しかし地域や物件によって市場の傾向は二分化が続いていて人気が集中している地域とそうでない地域があります。全体で見れば良くなっていますが個々の地域や物件に着目する必要があります」と話す。同氏は金利の上昇が住宅購入希望者に与える影響は2点あるという。「一定期間のみ金利が上昇する場合には悪影響となります。しかし金利が上がり始めて今後もさらに上がるという話が出始めれば、皆購入を急ぐでしょう」と述べた。

 

ブリューべーカー氏は5月の売上数について「8%の減少には注意する必要があります。通常夏季は住宅の売上が伸びる時期です。減少が今後も続く可能性があります」と話す。

 

HBR代表のダリル・マチャ氏は、夏には売上数が戻るだろうと予想する。「オアフ市場は1月と2月に景気の深い谷間を迎え、少しずつ回復傾向にあります。販売契約数も徐々に増加しており、夏の後半には売上数のピークを迎えると予想しています」と述べた。

 

販売契約数とは、エスクロー会社を通した購入手続きが完了前の、売買契約が完了した数を示す。5月の1戸建て住宅の販売契約数は502件で3カ月連続の増加。コンドミニアムは4月まで3カ月連続で増加していたが、5月は751件で減少に転じた。

(日刊サン 2018.06.19)