オアフ島でリトル・ファイアー・アントが発見されてから1年、州農務省は世界最悪の侵略的外来種と呼ばれる害虫と格闘している。
多数の機関から成るチームが動員され、ファイアー・アントに対応しており、ワイマナロとミリラニの群生に職員らが対処している。少なくとも10月までは6週間に1回処理を行い、その後2年間はモニタリングを行う。
6月以来オアフ島では新たなコロニーは発見されていないものの、当局は更なる生息の可能性を懸念しているままである。
農業に関する調査員らは、今年6月、ハワイ島からマウイ島に輸出されたハプウ(ハワイのシダ)に付着していたファイアー・アントを発見している。そして、3か月前、マウイ島北東海岸のナヒク地区付近に広がる20エーカーの森林で、当局は今までハワイで発見された最大のファイアー・アントのコロニーを発見した。
リトル・ファイアー・アントに刺されると、強い痛みを感じ、みみずばれができる。ペットは失明する可能性もある。このアリは地上や木の中、植生に巨大なコロニーを形成し、完全に周囲を占拠することで知られている。住宅にはびこる場合もある。
オアフ島で生息が確立された場合、その後の数年で年間1億7000万ドルに達する経済的打撃を受ける可能性があると、ハワイ大学の最新調査で報告されている。
もっと多くの市民が、自宅の庭にファイアー・アントがいるかどうかを調べてくれることを当局は期待していると、ハワイ侵略的外来種委員会の省庁間コーディネーター、ランディ・バートレット氏は述べている。
「農務省には十分な人員がいません。アリはどこででも発見される可能性があります。もしも皆さんが自宅の裏庭をチェックしてくれれば、事態を収拾するための長い道のりの始まりとなるでしょう。現在目にしている状況は、氷山の一角にすぎないかもしれないのです」
ファイアー・アントの体長は、16分の1インチほどで、ピンの先端よりも小さい。色は淡いオレンジで、ゆっくりと動く。もう少し大きく、体に対して頭が大きく、動きが早いトロピカル・ファイアー・アントとは外見が異なる。
南アメリカ原産種のこのアリは、たまたま輸入植物に付着していたために、太平洋地域で40年以上に渡って生息圏を広げている。
ハワイで最初に発見されたのは、ハワイ島プナ地区で1999年だった。しかし、その時にはすでに、根絶できないくらい生息数が増えていた。