デービッド・イゲ知事は、Airbnbに州の代理としてバケーションレンタル税の徴収を許可する同意書への調印を拒否。州議会に戻し審議を委ねる決定を下した。
イゲ知事は22日に法案を提出するまでに議員達と協力してバケーションレンタル税を徴収する新しい提案を練りたいと述べたが、下院財政委員会委員長のシルビア・ルーク議員はすでに議員達が独自の対策案の作成を始めていると語った。
議員達は過去3年間のAirbnbに代理徴収を認める法案を見直し考察している。2016年に議会を可決した法案はイゲ知事に却下された。州税務局は問題を解決する為昨年からAirbnbと直接交渉を始めている。この交渉の結果、協議書がイゲ知事に提出されたが知事は協議書に2016年に却下した法案と同様の規定が含まれていると指摘した。
2016年の法案の反対派は、その内容が違法バケーションレンタルを増加させ、地元住民への住宅供給を減少させ住宅地の性質を変えてしまうと話す。イゲ知事が2016年の法案と協議書を拒否した理由は、どちらも違法バケーションレンタルを悪化させる可能性を含んでいるからだ。
「私の短期バケーションレンタルへの姿勢は何も変わっていません。税の徴収だけを目的にはしていません。透明性も必要だと考えます。短期バケーションレンタルに使用される物件が、適切なゾーンと規制下にあることを明確にしなければなりません」と知事。
さらに知事は、Airbnbとの協議書に適切なゾーンにない物件の紹介を禁止する条項を含めたいと望む。知事によるとAirbnbは同様の禁止条項を他の国や州と交わしているという。
ハワイでAirbnbの公共政策マネージャーを努めているマット・ミドルブルック氏は、イゲ政権が昨年後期の議会でAirbnbとの交渉に関心を示していたのにも関わらず最終案への調印を拒否してきたことに対し「苛立ちを感じます」と述べた。
「不運にも知事の手のひら返しの結果、州はAirbnbのホストから3000万ドルを税収として徴収する機会を失います。知事の決定とは関係なく私達はハワイと良いパートナーであるよう努め、短期レンタルの常識的な規則と税制を制定できるよう州や郡との議論を続けます」とミドルブルック氏は語った。
Airbnbによると、提案された協議書の内容に沿えば2017年だけでも税収額は約3000万ドルとなり、2015年から今年の末までに総額7000万ドルの税金を州が徴収出来たという。
同社はハワイの提案と同様の課税同意書を300以上の他の地域と締結していると話す。これらの同意書により、Airbnbは予約取引完了時に税金を徴収し、総額を1度に州へ納める。Airbnbによれば同社システムを予約時に使用したレンタル施設のオーナーが同意書の内容に背く事は不可能だという。
スコット・サイキ下院議長は、今年中に問題解決を望むならばイゲ知事が受け入れる内容の法案を作成する必要があることを議員達は理解していると話す。
サイキ議長は「法案の執行が確信できることが重要になってくるでしょう」と述べた。