アリゾナ記念館が9月1日、ほぼ16カ月ぶりに一般公開を再開した。同記念館は1962年、第二次世界大戦中の太平洋戦線で亡くなった人々を弔うために作られ、毎日約4千300人が訪れるハワイ州で最も人気のあるアトラクションのひとつである。 同日午前8時10分、145人の観光客が海軍のボートから同記念館に下り立ち数分間黙とうした。
1941年12月7日の同時刻は、戦艦アリゾナ号が日本軍の真珠湾攻撃で爆撃を受けた時刻で、同艦は爆沈し1,177人の乗組員が戦死した。 訪問者は記念館の上を歩き、いまだに流れ出る油と大理石の壁に刻まれた戦死者の名前を見ることができる。
同記念館は2018年5月、桟橋を繋ぎとめる錨部分に損傷が発見され、桟橋の揺れが大きくなり連絡橋が崩落する惧れが出たため、閉鎖された。 元々は昨年10月に再開される予定であったが、12月、3月へと延期され、やっと今回再開の運びとなった。 この度重なる再開遅延は、桟橋を繋ぎとめる錨部分の設計の変更によるものである。
当初はコンクリート製にすることを計画したが、同じ損傷が起こる可能性があることが分かり、新しい構造に変更することになった。 新しい構造は、長さ100フィート以上の巨大なネジの形をした錨を海底に打ち込むもので、12本の錨が打ち込まれ、ロープで桟橋に繋がれた。総工費は210万ドルである。
アリゾナ記念館がある真珠湾国立記念公園には2018年180万人近くが訪れた。 公園の訪問者数は、同記念館の閉鎖により年間約8%が減少したとみられる。 真珠湾国立記念公園のスティーブ・ミーツ園長代理によると、この修繕プロジェクトでは、非営利団体の太平洋歴史公園や海軍などのパートナーとの協力があり、修繕が早く・低い費用で完成できたという。
(日刊サン 2019.09.14)