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ハワイ不動産ニュース:アラモアナの低価格住宅 サムクー社の開発に承認

ホノルル市議会が15日、サムクー・ハワイ社の43階建て、513ユニットの低価格住宅タワー『セントラル・アラモアナ』の開発を可能とする免除事項を9対0で承認した。このタワーの建設予定地はホノルル市が交通網拠点の候補にしていた土地でもある。

 

セントラル・アラモアナは全体の60%、310戸をオアフ島の中間年収の80〜140%の年収層に提供するため市議会の支持を得ていたが、カーク・コールドウェル市長はその建設予定地を鉄道がハワイ大学マノア校に延伸される際に活用したいと考えていた。予定地はカピオラニ、コナ・イキ、コナの3つのストリートに囲まれた1.43エーカーの土地で、2025年に完成予定のイースト・カポレイからアラモアナをつなぐ鉄道の終着駅から数百フィートの距離に位置している。市議会が承認した決議案18-169号では、公共交通指向型開発エリアでの低価格住宅開発を可能にする、ゾーニングや土地使用法の適用除外が認められた。400フィートの高さ制限と建築密度制限の緩和や、公園に納める1070万ドルを含む様々な市への納付金も免除されている。サムクー社が市に提出した計画では、ユニットはオアフ島の中間年収80~90%の層に36戸、90~100%の層に33戸、100〜110%と100~120%の層に各61戸、120~130%の層に68戸、130〜140%の層に51戸が提供される。合衆国住宅都市開発省によれば、2018年のオアフ島の中間年収は9万6000ドル。

 

コールドウェル市長はサムクー社に、隣接する3区画を含めたより広大な土地で低層に鉄道のハブと上層に住宅タワーを建設する計画を持ち掛けていた。市長は中枢となる駅を建設可能な土地は他になく、鉄道をハワイ大学まで延伸する場合のルートとして最も可能性が高い土地だと主張した。 しかしサムクー社は市が計画を練っている間に数百万ドルを損失していることを不満だとし、計画が長引けば採算が取れなくなると表明。市議会は15日の承認の際に、市は別のエリアで鉄道ハブの建設予定地を探すことも可能だと述べた。 ゾーニング委員会委員長のキンバリー・パイン議員は、開発業者が本土の投資家ではなく地元住民へ住宅を提供しようと努力しているのに、市のサムクー社への対応は不公平だと話す。サムクー社は市の計画を10年待ってから物件を売りに出して多額の利益を得ることもできる。「それでも彼らは地元住民を支援するために、市の部署ごとに異なる対応や嘲笑を受けるプロセスに耐えています」とパイン議員。 コールドウェル市長は13日に、決議案に反対する証言を行い、市の規則が低価格住宅を中間年収の120%以下の層をターゲットにしている中でセントラル・アラモアナの中間年収120〜140%に提供する119戸に疑義を申し立てた。パイン議員は、サムクー社は中間年収120%以下に割り当てるユニット数だけでも低価格住宅の要件を満たしているとし「開発業者がさらに年収別にユニットを提供するのは、中間年収層の権利も尊重しているからでしょう」と述べた。 トレバー・オザワ市議会議員は、市の計画は今後サムクー社との同意に達しない限り実現できないと語る。市は他の候補地を探すか、バスで毎日数万人が乗降し大きな恩恵を受けているアラモアナ・センターの現オーナーであるブルックフィールド・プロパティ・パートナーズとの交渉に打って出るべきだろうと同氏は述べた。

 

(日刊サン 2018.08.29)