コールドウェル市長が3月1日に発表した次年度の予算案によると、オアフ島のリゾート/ホテルのオーナーおよび高額投資用住宅に対する増税が検討されている。しかし、自宅居住用の住宅に対する税率は据え置かれる予定である。また、住宅と非営利団体からの月額5ドルのごみ収集料金徴収開始の案も含まれている。この7月1日からの新会計年度一般会計予算案は、28億3千万ドルで、今年度予算より約2億2300万ドル(8.6%)高くなっている。市職員の福利厚生や団体交渉費用などの管理不能費用、債務返済が、予算増加の主因であるとのこと。
さらに、イースト・カポレイ/アラモアナの高速鉄道プロジェクト用の予算が含まれる。東カポレイからアロハ・スタジアムまでの最初の工区は、2020年12月にオープンする予定で、このため運輸サービス局の人員を14名増員する計画である。同鉄道運営のコンサルタント費用に677万ドルも含まれている。また、下水道システムとその他の重要なインフラの改良整備費用の8億7100万ドルも計上されている。他の歳出項目を見ると、ホノルル緊急サービス局で29名、公園・レクリエーション局に31名、ホノルル警察本部に再活性化のために50名、パトロール要員として37名、の増員が計画されている。
ザ・バスとザ・ハンディ-ヴァンのサービス改善、アラ・モアナ・トランジット・プラザの開発、市設公園施設の維持と改善、の予算も計上されている。市長の道路改修プロジェクト、ホームレス対策、気候変動に関する諸施策の予算も提案されている。一方、歳入項目では、ホテルおよびリゾート地の所有者に対する増税案が含まれる。これは、ホテル・リゾート地の評価額1,000ドル当たり13.90ドルの税金をかける案(現在よりも1ドルの増税)が含まれ、年間1,700万ドルの歳入増が見込まれる。市長は、2年前に増税を提案し議会に否決されたが、今回は好調な観光業にその負担を求めている。
しかし、ハワイ宿泊・観光業協会のCEOムフィ・ハネマン氏は、ホテル・観光業界ばかりに焦点を当てており、「不公平かつ不合理」であるとして激しく反対している。住宅に対する税については、ティア2(住宅用Aカテゴリー)の所有者は、評価価格の100万ドル以上の部分に対し1,000ドルあたり10.50ドル(現在は9ドル)の税を払うことになる。なお、100万ドルまでの部分に対しては、現在通り1000ドル当たり4.50ドルを支払う。この増税で、市は約1400万ドルの歳入増となる。
住宅用Aカテゴリーは、100万ドル以上の評価額の居住用不動産である。なお、所有者が当該不動産に住んでいて、住宅所有者控除を受けている場合は対象とはならない。100万ドルまでの評価額の物件と、100万ドルを超える評価額で住宅所有者控除を受けている物件が対象の標準住宅カテゴリーの税率は、1,000ドルあたり3.50ドルのままである。また、住宅用ごみ収集料金の徴収開始も提案されている。これより、約560万ドルの歳入増となる。
市議会での予算審議は、3月11日の週から開始され、6月に最終決定される。
(日刊サン 2019.03.16)