中国の名所写真をスライドで紹介しながらお話ししてくれた迫田さん。
オフレコトークも飛び出して、臨場感たっぷり。 ゲストからの質問に、中国通の伊藤総領事もマイクを渡されてコメント。白熱しました！
NPOハワイシニアライフ協会（通称ヒスレア）は、2007年に現会長である坂井諒三氏（元ソニー・ハワイ社長）を中心とした有志によって設立された、シニア層のハワイライフを応援する非営利団体だ。現在、会員数は個人会員913人、法人会員48社、特別サポート会員20社となり、年間開催イベント数は実に200回以上という、他に例を見ない活発な組織になっている。
9月21日には『2019年定時会員年次総会＆いきいき講演会』がアラモアナホテルで開催され、約120人の会員や関係者が集まった。年次総会では、協会の名称が「ハワイアロハライフ協会」（Hawaii Aloha Life Enrichment Association 、略称HALE / ハワイ語で“家”を意味）と変更することが発表された。名称は11月１日から変わる。
坂井会長は変更の主旨を以下のように話した。
「ハワイシニアライフ協会からハワイアロハライフ協会とすることで、幅広い層の支持を受け、とりわけ新しい若い世代の参加を促したいと考えました。キャッチフレーズである、「スポーツも人生も後半戦が面白い！分かち合おうアロハの心」という精神は継承し、アロハの精神を世界に発信し、充実したハワイでのアロハライフを促進することにより、ハワイと日本の架け橋になっていくべく、さらなる活発な組織を展開していきます」
総会後は昼食をはさみ、『你好の国～中国の旅を楽しむ最新旅行事情』の講演会を開催。ハワイシニアライフ協会の副会長で、日本地区本部長を務める旅行業の専門家、迫田健路（さこだけんじ）さんが、中国の旅を楽しむための最新情報とお薦めのコースを話した。
公演に先立ち、在ホノルル日本国総領事館の伊藤康一総領事が挨拶。
「中国と私には長いご縁があります。外務省に入ってすぐの1985年、語学留学で初めて中国に行きました。以来のべ10年間、私は中国で外交の仕事をしてきました。ハワイの前の勤務地も中国でした。中国にいた頃は各地を旅行し、敦煌までの長距離バスでは、砂漠の真ん中にバス停があったなどという、不思議な景色を覚えています。私が赴任当初、鉄道はまだ蒸気機関車で駅は石炭の匂いが充満していましたが、インフラはものすごいスピードで発展し、例えば新幹線は中国全土に張り巡らされています。中国は歴史豊かな国です。旅行を楽しむなら三国志とか司馬遷、水滸伝など、歴史書を読んでから訪れると、千年、二千年昔にタイムスリップして、ありふれた街角を見ても想像力を羽ばたかせることができると思います」
中国通同士とあって、迫田さんの講演も伊藤総領事と軽妙なやりとりを交えて、会場を沸かせた。迫田さんは50年間旅行業に従事。世界中の旅を企画し、80本近い世界の旅番組に関わってきた。「日本の25倍の広さで14億民が住み暮らす中国は、EUのように多言語国家です。上海語と客家語など話す言葉は違っても、漢字で表す表意文字を読めば、意味がわかる。中国という国は漢字で統一できているんです」
旅行者として中国を訪れる場合、５年前の情報は古く、10年前の情報は使い物にならないほど、変化と発展のスピードは速いのだという。「キャッシュレス化もクレジットカードをすっ飛ばして、スマホ決済があっという間に浸透しました。車の運転もカーナビなんていらない、スマホが道路工事の迂回情報など最新の交通情報をアップデートして知らせてくれます。伊藤総領事が中国の新幹線の話をしてくれましたが、シルクロードの旅も、新幹線でウルムチまで行けちゃうんですからね。土地も財源も中国国家のものですから、土地買収も赤字のことも心配せずにガンガン進める。漢の武帝のことをちょっと知っておくと、シルクロードの旅が俄然面白くなりますよ」
豊富な知識と軽妙な語り口で、歴史、政治、ホテルやグルメなどなど、素顔の中国が面白楽しく紹介された。１時間半の講演はあっという間。質問には迫田さんとともに伊藤総領事も答えたりして盛況のうちに閉会した。
（取材・文 奥山夏実）
（日刊サン 2019.09.28）
入会に関する問合せ：ハワイシニアライフ協会 HISLEAアロハオフィス
営業時間：原則的に月曜、火曜、金曜、土曜 午前10時～午後3時（1月、7月、8月、12月の繁忙期は木曜も営業）
場所：ワイキキショッピングプラザ5階512号室 エクスペディア隣
住所:2250 Kalakauka Ave., Suite 512 [email protected]
TEL: 808-428-5808 FAX: 808-396-1140
サービス内容：入会・更新・変更などの受付、イベントの申込み、ハワイのお役立ち情報の提供、仮会員証の発行など