去る11月7日、仏教教育センターの尺八クラブで、ジョン・海山・ネプチューン師を迎えての勉強会が開かれた。師は、日本の伝統楽器尺八に魅了されて、70年代に単身日本へ渡ったアメリカ人で、その半生を紐解いた長編ドキュメンタリー「海山〜たけのおと」は、ハワイでも上映された。
師は、1971年の20歳の時から尺八を始め、やがて尺八生活50周年を迎える。尺八という楽器の可能性を伸ばした功績でも知られ、尺八界に与えた影響は大きく、尺八界でも有数の奏者、作曲家としても知られている。
高校時代はトランペットを吹き、その後ドラマーとして音楽活動を行い、サーフィン好きが昂じてハワイ大学に進学し、民族音楽学を専攻。そこで尺八に出会いその音色に一瞬で惚れ込んだ。そこで、当尺八クラブの岡野亮珠師範と知り合い、単身、京都の地を踏み、岡野師範の紹介で都山流の門をたたいた。数年間にわたる修行の末、尺八都山流師範の免許を得て、師匠三好芫山より竹号「海山(かいざん)」を授かった。
これまで20枚を超えるアルバムを制作。現在は千葉県鴨川市に居住し、作曲のかたわら尺八の製作、改良を続けている。
ネプチューン師の尺八は普通の尺八とは異なり、手孔の位置もその位置を下げて、1.5ミリメートルもあり、大きな音が出せるようになっている。
勉強会は当クラブの会員約20名が参加。師は「やればできる」のYDKの精神を解き、アプローチの仕方、テクニック、音楽活動のあり方を2時間にわたりレクチャーし、毎日の練習の大切さを紐どいた。
最後に本曲の「鶴の巣篭もり」、「たけの音」を吹奏して会員らを魅了し、勉強会を終えた。
(文・赤嶺安彦)
(日刊サン 2019.11.13)