ハワイ日系移民150周年を記念した『美空ひばり』音楽祭が11月24日ニールブレイズデル・コンサートホールで行われた。ハワイで日本人歌手の名前を“冠”にした大きな音楽祭は初めて。日本から細川たかし、市川由紀乃、クリスタル・ケイの3歌手も出演した。 ひばりさんの長男の加藤和也氏(ひばりプロダクション代表取締役社長)は、コンサート前の記者会見でこう挨拶した。 「1950年、ハワイで戦後初めて公演を行った日本人が12歳の母、ひばりでした。日米開戦のはざまで苦悩し、勇敢に戦った日系移民のアメリカ部隊「第100歩兵大隊」の記念館を造るためのチャリティー公演でした。明るい歌声と大人顔負けの歌唱力で、母ひばりは日系人を励ますことのお役に立てました。以後、母はハワイを愛し、私も幼少の頃、よく母と一緒にハワイに来ました。日本にいる時よりもハワイにいる時の方が、母を独り占めにできて、親子として楽しい時間を過ごした思い出がたくさんあります。
歌手としてのひばりも、ハワイ立州10周年行事を始め、5回もハワイコンサートを行い、芸能界を引退したらハワイに住みたいと、別荘も購入。晩年の1987年、3ヶ月半の入院を経て退院した時もその別荘で療養し、“不死鳥コンサート”の構想を練りました。そんな深いゆかりのあるハワイで音楽祭ができることはうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです」 ハワイ島火山噴火へもお見舞金 加藤氏はひばりプロダクションの代表として、ハワイ島の火山噴火に対するお見舞金1万ドルを、ハワイ日米協会の金子レイナ代表に寄贈した。 コンサートでは、1部でひばりさんの秘蔵映像などによるフィルムコンサートを上映。2部ではハワイを愛したひばりさんの気持ちを現地の人に伝えようと、細川さんはひばりさんの最大のヒット曲「柔」などを、たっぷりの声量とこぶし回しで熱唱。 市川さんはひばりさんが愛用していた帯とかんざしを身につけ、昨年の紅白歌合戦でも歌った「人生一路」などを披露。バイリンガルのケイさんも「歌は我が命」や英語の名曲などをスイング。
(日刊サン 2018.11.18)