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移民法 Q&A No.236【I-140請願におけるスポンサー会社の給与支払能力】

皆さんAloha,

 

雇用に基づく移民請願書を提出する場合は、米国のスポンサー会社となる雇用主が決められた給与を支払う能力(給与支払能力)があることが条件となります。外国人労働者のための労働認定書(PERM)申請が行われた場合、給与額や優先日は労働認定書に記載されます。スポンサー会社は、優先日が確率された時点で給与の支払能力を証明します。

 

スポンサー会社は、PERMの段階ではその給与を支払う必要はありませんが、PERM申請から永住権許可(I-485)までの間、給与支払能力を継続して保持することを証明します。米国帰化移民局(USCIS)は、I-140が許可された後のI-485のステータス変更手続きの段階でも、スポンサー会社の支払能力について確認することがあります。

 

支払能力を証明する証拠として、年次報告書、連邦税申告書、監査済み決算報告書のコピー等が含まれます。100名以上の従業員を雇用する会社については、会社の財務責任者から会社の支払能力についてのステートメントを認める場合もあります。ケースによっては損益計算書、銀行明細書、人事記録などの追加書類の提出が求められます。

 

まずUSCISは以下の3点のいずれかをもとに、給与支払能力を検討します。

 

1.純利益 (Net Income):スポンサー会社の純利益が規定の給与額と同等かそれ以上であることを反映する証拠

2.正味流動資産(Net Current Asset):スポンサー会社の正味流動資産が規定の給与額と同等かそれ以上であることを反映する証拠。正味流動資産の計算方法は、正味流動資産から流動負債の合計額を差し引いたもの。

3.受益者の雇用:スポンサー会社が受益者を雇っているだけでなく、規定の賃金を支払っていることを証明できる検証可能な証拠や記録

 

スポンサー会社が上記の要件を満たしていない場合でも、USCISが任意で考慮する要因もあります。判例によると、給与支払能力は「総合的な状況」にもとずく判断が基準であるとされています。よって、受益者が永住権を取得する際に、合理的に期待できる将来の財務利益によりスポンサー会社の賃金支払能力が満たされるとする証拠の提出も許可されることがあります。以下の場合は、スポンサー会社の将来的財務利益は合理的である、とされます。

 

●スポンサー会社は、財政難ではなく、また人を雇用している

●スポンサー会社は、財務状況を一時的に悪化させるような異例の費用がその年に発生したことを証明できる

●スポンサー会社は、請願書を提出した翌年以降、収入の大幅な増加が期待できることを会計士や専門家が作成した財務書類によって確率できる

 

 

ミチコ・ノーウィッキ 弁護士
ハワイ州弁護士 皆さんからの移民法についての質問等は[email protected]までお願い致します。 日本語OKです。

 

 

このコラムはクライアントからの質問を一般的に書き換えたものです。読者のお役に立てればと思いますが、あくまでも一般的なケースであって法的なアドバイスが必要な方は専門家にご相談ください。