皆さんAloha,
トランプ政権の不法移民対策大幅強化が、国内で大きな波紋をよんでいます。不法移民対策に関する大統領令によって、従来は重罪に問われた不法移民の国外追放が集中的に行われていたものの、今後は交通違反も含む小さな罪に問われた不法移民でも国外追放される可能性があります。それと同時に、移民入国管理執行機関(ICE)の捜査官が国内に住む移民の家を回って捜査し、不法移民の国外追放手続きを迅速化しています。そういった場合に、あなたの権利を理解し、冷静に対応することが重要となります。
米国自由人権協会(ACLU)は、ICEの捜査官が裁判官による署名がある令状を提示することができない限り、家のドアを開けないよう勧告しています。ICEの捜査官があなたの家のドアをノックしたら、「裁判官の署名付きの令状を窓に張り付けて見せるか、ドアの下から滑り入れて見せるようお願いしましょう」とACLUはアドバイスしています。
ICE行政による捜査令状だけでは、住民の同意なしにICEの捜査官が家へ侵入することは認められていません。あなたが家の中からドア越しに、ICEの捜査官が家へ来ている理由を問い、必要な場合には通訳を要求することができます。ICEの捜査官が、裁判官による署名がある捜査令状を持っていない場合は、必要な情報が書いてある紙をドアの外に置いて立ち去るよう依頼できます。捜査官が同意なしにあなたの家の中へ無理矢理侵入してきた場合は、何も話さずに、そして抵抗しないようにしましょう。
もし何らかの理由により、あなたが逮捕されてしまった場合は、移民弁護士と話すまで黙秘し、何の書類にも署名するべきではありません。
移民に法的情報を提供している移民防衛プロジェクトによると、不法移民はご自分の家族や親戚が逮捕されてしまった場合の対応方法を計画しておくようアドバイスしています。計画というのは、家族が逮捕されたり国外追放された場合に備えて、誰が子供たちの世話をするのか、親が逮捕された時に備え、代理人をたて、代理人が子供たちのための養育の決定をすることができるよう手配しておくことを含みます。さらに、パスポート、出産証明書、結婚証明書、医療記録などの重要書類は整理して、全てまとめて安全な場所に保管すると良いでしょう。
移民防衛プロジェクトは、あなたや家族のパスポートをICEの捜査官へ決して渡さないよう呼び掛けています。ICEの捜査官へ嘘はつくべきではありませんが、あなたは何も言わずに黙秘権を行使できることを忘れないでください。
ミチコ・ノーウィッキ 弁護士ハワイ州弁護士 皆さんからの移民法についての質問等は [email protected]までお願い致します。 |
このコラムはクライアントからの質問を一般的に書き換えたものです。読者のお役に立てればと思いますが、あくまでも一般的なケースであって法的なアドバイスが必要な方は専門家にご相談ください。