ワインと料理の相性を探ることは、ワイン好きにとっては楽しみのひとつです。とはいえ、ワインと料理の相性のことはマリアージュと呼ばれており、「肉には赤ワイン」「魚には白ワイン」といったように、ある程度その組み合わせは限定されているようです。しかし、そんなにワインは堅苦しいものなのでしょうか。今回、ここではワインと料理の相性について考えていきます。
赤ワインに合わせる料理とは?
「肉には赤ワイン」といわれている所以としては、肉類の脂肪分を赤ワインが流してくれるからとか、重厚感があるので重たい味わいの赤ワインが合いやすいと考えられているようです。
たしかに、赤ワインにはタンニンという成分が多く含まれており、これが肉類のタンパク質と合わさることで、肉がより柔らかくなるということがあります。しかし、無理に肉類を赤ワインに合わせる必要はありません。
例えば、焼き鳥の塩味やクリームソースを使った肉のソテーだったら白ワインの方が相性が良いと思われます。
魚に関しても、赤身の魚でトマトソースを使って煮込んだもの、ブリの照り焼きなどには、軽めの赤ワインの方が良い相性を示します。濃く、深みのある味わいや香りを持つ料理の場合、魚でも問題なく赤ワインに合うのです。
白ワインに合わせる料理とは?
魚には白ワインが合うといわれているのは、軽めのイメージがあるからだと思われます。しかし、白ワインに合わせる料理の場合、キーポイントは「香り」です。例えば、白ワインの場合は、フレッシュでフルーティーな柑橘系の香りを持っています。
さらに、酢酸やリンゴ酸、クエン酸といった、やや酸っぱさを感じさせる有機酸を多く含んでいるため、やや酸味がある味わいの料理との相性も悪くはありません。そのため、レモン汁を搾ったもの、和食ならポン酢、レモン塩をかけたものであれば、大抵の料理は良い相性を示すのです。
生ガキには白ワイン、といわれていますが、白ワインには強い殺菌効果があるため、古くから経験的にこのことをわかっていたのかもしれません。ただし、生ガキにレモン汁、ポン酢をかけた方が、よりよい相性となります。ぜひ、試してみてください。
似たポイントを探して合わせよう
赤ワインの場合、乳酸の味わいやラクトン系と呼ばれるまろやかな香味を持っています。白ワインの場合、前述したように柑橘系の香りが特徴です。要するに、購入してきたワインを飲んで、香りや味わい、重たさを確認し、そのどこかに共通する部分を持った食材、食事、ソースを合わせれば良いだけなのです。
例えば、日本酒は米からできているので、米からできているおにぎりにもバッチリ合います。このように、難しく教育本などを参考にするのではなく、「ワイン」と「食事」の共通点を見つけることが大切なのです。
個人的には、シャルドネの白ワインとポン酢は、最高のマリアージュだと思っていますが、どの教本にも掲載されていません。
自分だけのマリアージュを見つけることも、ワインの楽しみのひとつなのではないでしょうか。
ナカゴミコウイチ 東京都在住。ワイン好きの裾野を広げるため、WEBサイトを中心にワインコラムを執筆しています。 |