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Wine at home vol.1 日本が誇る甲州ワイン

Bynikkansan

4月 6, 2017

 

はじめまして、日本のワイン紹介サイトなどを中心にワインコラムを書いている、東京在住のナカゴミコウイチです。

日本のワイン銘醸地である山梨県出身ということから、日本のワインを中心にワイン文化の裾野を広げる活動に日々奔走しております。 僕が大切にしていることは、「ワインは、楽しんで飲む」ということです。 細かいことは気にせずに、楽しい気分で飲むことがワインを美味しく飲むコツです。とはいえ、少しだけワインについて知識があると、今よりも数倍楽しく飲むことができることも事実です。 今回はまず、日本を代表するワインである、「甲州ワイン」を紹介しましょう。

 

甲州ワインとは?

甲州ワインとは、甲州種という白ブドウ品種を使用して造られたワインのことです。 甲州種は、生食用と醸造を兼ねた日本固有品種で、ヨーロッパ系ブドウ『ヴィティス・ヴィニフィラ種』です。柑橘系の香りを持ち、さっぱりとした爽やかなワインを生み出します。物腰の優しい口当たりなので、栽培方法や醸造方法などによってその味わいが変幻自在し、生産者によってさまざまな味わいを楽しむことができます。

 

甲州種ブドウの特徴とは?

さまざまな顔を持つ甲州ワインですが、共通する特徴があるので覚えておきましょう。 まず、外観は淡く水のような透明感があります。 香りに関しては大手メーカーの研究により、グレープルーツやパッションフルーツの香りが潜在的にあることが判明しました。 味わいは、ライトボディからミディアムライトで口当たりが軽く余韻も短めです。全体像を例えるであれば、外国品種のワインに比べ、物腰がやわらかな繊細な印象と捉えると分かりやすいでしょう。 この『繊細さ』が、甲州種の最大の特徴なのです。

 

甲州ワインのスタイルとは?

ここでは、甲州ワインの一般的なスタイルを紹介しましょう。まずは、シュール・リー製法です。 フランス・ロワール地方で使われている技法で、滓(おり)引きをせずに熟成させる方法です。旨味が乗り、柑橘系の香り、ミネラルの風味を感じるフレッシュ&フルーティーな仕上がりとなります。 次に、樽で熟成するタイプです。 小樽で熟成を通すもの、大型容器での発酵の後に小樽熟成させる二通りのスタイルがあります。樽由来のバニラ香に淡い黄色の外観、複雑味のある風味が楽しめます。 また、ごく甘口や甘口、古酒などがありますが、基本としてはシュール・リー製法の甲州種から楽しまれると良いと思います。

 

甲州ワインで和食を楽しもう!

人によっては、甲州ワインの香りを日本酒でいう『吟醸香』と表現する方もいます。 その香りの特徴や繊細さから、世界中のどのワインより、和食に合い、その旨味を互いに引き立てるのです。 大切な方とワインを飲まれる機会には、甲州ワインと和食のマリアージュを楽しんでみてはいかがでしょうか。 次回は、甲州ワインが世界から注目されるようになった歴史と代表的な一本を紹介します。ぜひ、ご期待ください。

 

ナカゴミコウイチ
東京都在住。ワイン好きの裾野を広げるため、WEBサイトを中心にワインコラムを執筆しています。