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良質なカカオの木の選定 ハワイのカカオの未来に期待

 

現在更に、品質の良い豆をつけるカカオの木はどの木なのかの特定、そして収穫量が多く、発酵する時に上手く発酵できる大きな粒を持つ味の良い木を選定し、それを接ぎ木や挿し木で増やす方向への研究が行われています。 幸いなことにハワイには、ブラジルカカオ産業を壊滅的な状況に追いやったウィッチブルームのような病気は上陸していませんが、将来に備えて米国農務省(USDA)がエクアドルで開発した病気に強い品種の栽培試験をこのハワイの地で始めています。良質な木を持つ、ハワイのカカオ。各ショコラティエのフィードバックによる農家の発酵方法の向上などもありますから、これからのハワイのカカオ産業には期待がもてそうです。

 

 

 

カカオの健康効果

122歳まで生きた世界最長寿の女性の 好物はチョコレート

人類史上で唯一120歳の大還暦を迎え、122歳と史上最も長生きしたフランス女性ジャンヌ=ルイーズ・カルマン(Jeanne-Louise Calment)。彼女は赤ワインとチョコレートが大好物で一週間に1キロ近いチョコレートを食べていたのだとか。ジャンヌの長寿の秘訣が全てチョコレートにあるということはできませんが、興味深い話ではありますよね。

 

ダントツのポリフェノール含有量

カカオには様々な健康効果のある成分が含まれていますが、ここで注目したいのは赤ワインにも含まれるポリフェノール。活性酸素を抑える働きがあるポリフェノールのカカオの含有量は緑茶やワインのおよそ8倍。他の食品や飲料の中でダントツに高い数値です。カカオが発酵される際につくられる高分子ポリフェノール。これが健康に対してすごい効能があるのだとか。

 

血管をしなやかに!カカオが生活習慣病を予防

まずは、生活習慣病の予防効果。ポリフェノールは、硬くなった血管を元のしなやかな状態に戻してくれるため、血管が若返り、動脈硬化を防いでくれます。

愛知県で実施された実証実験によると、45~69歳までの347人が4週間にわたり、カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを毎日25g摂取し、摂取前後の血圧やコレステロール、体重などを比較したところ、正常な人が平均1.62mmHgの低下だったのに対し、高血圧の人は平均5.86mmHgも低下。研究を監修する愛知学院大学・心身科学部の大澤俊彦教授によると「ポリフェノールが腸から吸収されて全身の血管を巡り、血管が炎症を起こして狭くなっている部分では、炎症を抑えて血管の内皮機能を改善。炎症が治まって血管がしなやかになり、赤血球などが通りやすくなることで血圧が下がる」のだそう。

また東京医科大学とハーバード大学の研究チームは、米国の健康な男性1万8,000人以上のデータを分析し、チョコレートと糖尿病発症についての関係を調査した結果、チョコレートを多く食べている人は、全く食べない人と比べて糖尿病のリスクが低くなっていることが判明したと発表。またポリフェノールが糖尿病の危険因子となるインスリン抵抗性や酸化ストレス、炎症に対して予防効果があることも報告されています。

 

予防される生活習慣病
○高血圧 ○動脈硬化 ○脳卒中 ○心筋梗塞 ○がん ○糖尿病

 

日本人の50%が保有。ピロリ菌をやっつける整腸作用

 

慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの原因になるといわれるピロリ菌。カカオにはピロリ菌を除去できる効果がある成分、オレイン酸とリノール酸を代表とする遊離脂肪酸が含まれていることが森永製菓の研究によって判明。

遊離脂肪酸は「カカオFFA」とも呼ばれ、カカオ豆を発酵したり、ココアの製造過程で作られる成分。カカオFFAは、ピロリ菌の細胞膜に侵入しダメージを与え、ピロリ菌を守っているウレアーゼを除去することで、菌を殺します。コーヒーにも同じような殺菌効果がありますが、ココアのほうが効果は高く、その差は実に3倍以上なのだとか。

 

日本チョコレート・ココア協会は、 カカオポリフェノールの様々な効果について、 発表しています .

○アレルギーやリウマチに効果  ○細菌感染を予防 ○傷の治療に効果 ○虫歯予防 ○坑ストレス ○口臭予防

 

どんな風に食べれば効果的?

健康効果を考えてチョコレートを食べる場合は、カカオ含有率の高いチョコレートを時間をおいて、小分けにして食べるのが最も効果的なのだとか。明治製菓の研究によると一回のチョコレート摂取量は5g、つまりひとかけら、それを一日5回に分けて25g程度取るのが良いそうです。ポリフェノールの体内での効果は数時間。一日数回に分けてチョコレートを摂取することが健康には良いようです。