日本ではお惣菜市場が10兆円突破の急成長なんだという。デパ地下のお惣菜売り場だけでなく、コンビニもメニューを拡大し、ファミマはなんと、常時おかず70品を用意した“お母さん食堂”をスタートさせた。
ハワイで欠かせないデリ、外食と内メシの間、中メシが重宝
ハワイではデリの食文化が定着しているから、どこのスーパーでもサラダバーやサイドディッシュが買える。外食は高いし、少人数の家族だと、あれこれ食材を買って作っても、食べきれなかったりするから、デリは便利だ。
私もオーガニックのコクアマーケットやダウンツーアースで、ちょこちょことおかずを買って重宝している。とくにコクアは、料理上手なスタッフがその場で作っているから頼もしい。添加物や化学調味料はもちろん使っていないし、味も薄味だからお世話になりっぱなしだ。
前にコクアで、“蕪とカリフラワーのスープ”という、白いポタージュを買い、あまりの美味しさに、真似して作ってみた。蕪×カリフラワーの取り合わせなんて思いもよらず、新鮮でもあった。コスコで売っている冷凍オーガニックのカリフワラーは使い勝手が良く、少量でも簡単に作れる。以来このスープは買わずに手作りしている。
待ちこがれたお惣菜店、Oh!Sozai、11月1日オープン
そしてそして、待ちに待った和食のお惣菜屋さんがお洒落エリアカカアコに11月1日、オープンする。その名はズバリ、Oh!Sozai。先日試食をさせてもらったところ、久々にセカチュー、世界の中心でオイシー!と叫んでしまった。
ポテサラ、ひじき、白和え、季節野菜の煮物……どこにでもある家庭料理だけれども、材料の吟味、食材の生かし方、味付けの塩梅、切り方、火加減、その全ての完成度の高さがハンパないのだ。
聞けば、全て手作り。ポテサラのマヨネーズも、煮物の出汁も、ハンバーグのデミグラソースもぜんぶ自家製。添加物も化学調味料も一切使わずに、自然の味わいを生かしている。だからしみじみと美味しい。からだに優しい。
オーナーは、ハワイにおける本格的な日本料理の先駆者、後藤哲夫さん。15歳で料理人の道に入り、日本で和食店を経営後、1983年カパフルで“権兵衛”を創業。ハワイで初めて備長炭で焼き鳥を焼き、ハワイで初めて新鮮なレバ刺しを出す店と人気を博した。後藤さんの料理人としての人生を語る時、「ハワイ初」がいくつも付いてくるほど、本物の和食文化をハワイに根付かせた功労者だ。
現在はKuruKuruSushiオーナーで、来年はハワイで日本料理をはじめて35周年を迎える。その集大成がOh!Sozaiの事業である。思う気持ちはただ一つ。「手作りの美味しいものを安心して食べて、心もからだも健康に過ごしてほしい」という思いやり。
ハワイのお母さんは子どもの送り迎えや仕事に忙しい。和食の食材は割高だし、家族の分だけ少量作るのは難しい。高齢者も、あっさりとからだに優しいお惣菜は嬉しい。ココナッツオイルやクルミを使った、ヘルスコンシャスなメニューもあって、今から常連宣言!
Oh!Sozai
カカアコソルトのすぐそば
400Keawe St,#108 駐車場有
(日刊サン 2017. 10. 27)
奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター 『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII 住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。 |