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HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.66 コラム@ココナッツラバー

Bynikkansan

10月 20, 2017

ロロンカボチャ、スクナカボチャ、コリンキー、プッチイニーなど、カボチャの品種名は摩訶不思議!

 

 

日本では、ほくほくと甘いクリカボチャがダントツで人気だけど、ハワイはいろいろなルックスと味わいのカボチャが売られていて楽しい。食べ方もローストしたりスープにしたりとさまざま。ハロウィンも近いことだし、今回はカボチャのことを書こうと思い、由来を調べて驚いてしまった。

 

カボチャの名前の由来は、なんとカンボジア!?

世界中で多くの品種が栽培されているカボチャ。日本では南瓜と書いてカボチャと読む。カボチャが日本に入ってきたのは徳川家康が生まれた1542年、戦国時代のこと。ポルトガル人が種子島に漂着した時に、鉄砲とともにカンボジアから持ち込まれた野菜がカボチャだったのだそうな。渡来先のカンボジアが訛って、カボチャと呼ぶようになったという説が有力だというから、面白いというか他愛ないというか。名前の成り立ちの軽はずみな感じが、カボチャの愛嬌のある風貌に似合っているようでウケてしまった。

 

栄養が満タンのカボチャ。皮、ワタ、種も捨てないで!

ビタミンエースと呼ばれる、ビタミンA、C、Eが豊富なカボチャ。中でも必要に応じてビタミンAに変換されるβ−カロテンが非常に豊富で、老化を早める活性酸素を取り去る抗酸化作用で、アンチエージングの味方になってくれる。このβ−カロテン、実は皮やワタの部分の方が実よりも2倍も多く含まれているというから、捨てずに食べたい。皮やワタには食物繊維も豊富だ。

ビタミンAに変換されると、免疫力を高めたり、皮膚粘膜を健康に保ったり、他の栄養素の働きを補助する大役を担ってくれる。

ちなみにカボチャの種は、半日ほど乾かしてから空炒りし、軽く塩をすればおいしく食べられる。オレイン酸が豊富な自家製ナッツだ。

 

抗糖化作用のクミンたっぷり、カボチャのスープ煮がお薦め

ハワイで売られているカボチャ各種は、どれもスープ煮にするとおいしい。味が淡白で甘すぎず、どんな食材とも合う。とくに私はクミンと一緒に煮るのが好きだ。クミンには抗糖化作用があることが解明されている。

“体がサビつくのが酸化”だとすると、過剰な糖質の摂り過ぎで“体がコゲつくのが糖化”だ。糖化は最近の医学界で注目されているメカニズムで、糖化が進むと肌の老化をはじめ、認知症や骨粗しょう症、動脈硬化の症状を進めることがわかっている。カボチャの抗酸化作用と、クミンの抗糖化作用のコンビ、相乗効果がとても頼もしい。

作り方は簡単。カボチャは皮やワタを残したまま一口大に切り、クミンを加えて好みのスープストックで煮るだけ。塩で調味し、作り置きのベースとして、まずはそのまま食べる。次はトマト味で、その次はカレー味でと次々に展開できる。野菜や魚介を加えるのも大歓迎。クミンはエキゾチックなスパイスと思いがちだが、意外に味噌との相性も良く、お味噌汁にしてもおいしい。カボチャ&クミン、ヘルスケアの常備菜としてどしどし召し上がれ!

 

(日刊サン 2017. 10. 13)

 

 

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター


『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII 住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。