ファーマーズマーケットでは農場の地鶏卵も買える。
久しぶりにオアフ島西部のマカハの海で泳いだ。透明度が高くて、最高に気持ちの良い海水浴だ。沖合にはイルカも多い。
数日前、An ocean of possibilities! を主題に原稿を書いたばかりだったので、海の中で神さまに感謝した。
ハワイ語では繁栄を意味するウル。いろんな品種があるんだそう。
そしてランチはこれまた大好きなカフマナオーガニックファームへ。ちょうど土曜日だったので、ワイアラエのファーマーズマーケットでカフマナ農場のニンジンやトマトやブレッドフルーツも買うことができた。
カフマナ農場の野菜は、有機というくくりでは言い表せないようなおいしさだ。皮が柔らかくて味の濃いトマト、うま味のあるキュウリ、みずみずしい葉っぱ、シルキーなアボカド、そして私の好物のブレッドフルーツ!
英語名にちなんで日本語ではパンノキ。ハワイ語ではウル。原産はパプアニューギニアと言われ、ハワイには1700年ほど前に伝わってきたのだという。
マカハに住む友人曰く、「ハワイにも10種類くらいのウルがあって、ローカルの人は蒸したり焼いたり、いろんな食べ方をしているよ。ブレッドナッツと呼ばれているウルは、栗のようなナッティな甘みがしてすごくおいしいの」と、若い実がなるブレッドナッツの木に案内してくれた。持って歌えばマイク! みたいな形が可愛い。そして葉っぱのなんて大きいこと!クワ科の常緑木だ。
ウルの名には“育つ、繁栄”など、家族が栄える意味があるので、ハワイアンプリントのモチーフにも好んで使われてきたのだという。
カフマナ農場のランチは、ウルとモリンガのスープ!
さてカフマナ農場のランチに戻ろう。今日のおススメはターキーのロコモコ。卵も農場の放し飼いの鶏が産んだもの。 ここは料理もおいしいけれど、スープがまた格別。スーパーフードの代表であるモリンガを私が初めて食べたのも、
ここのスープでだった。そしてなんと、示し合わせたごとく、今日はウルとモリンガのスープ! 最強の組み合わせ。
といっても味は穏やかでとことん優しい。ポタージュほど濃くないから、喉越しもさらっとしている。胃腸での消化吸収をスルーして、点滴みたいに細胞レベルに届いていく感じだ。
左はブレッドナッツの実の赤ちゃん。そしてウルとモリンガのスープ!
高タンパクで低脂肪で、オメガ3の脂肪酸も豊富なウル。ビタミンAや熱に強いCや、食物繊維やポリフェノールなどのファイトケミカルが豊富なスーパーフード、ウル。農薬なども必要とせずに放ったらかしで育つので、野生児みたいに健康的なオーガニック食材でもある。
作り方はウルの皮をむき、サイコロ状に切って茹でる。チキンスープなどをベースにしてもいいけれど、私はシンプルにミネラルウォーターだけにする。柔らかくなったらミキサーにかけ、塩で控えめに調味する。いただく時に、オメガ7が豊富でコクのある、マカダミアナッツオイルをたらして。茹でる途中でモリンガの葉を加えれば、淡い緑色のスープになる。こういうスープで体を養いたいものですよね。
(日刊サン 2017. 9. 22)
奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター 『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII 住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。 |