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HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.55

外見は地味なウォーターメロンラディッシュ。塚田農場の美人鍋にも登場、切り方で鮮やかさも変化。

 

 

日刊サンの編集部の真ん前にオープンした塚田農場。ランチのビーガンラーメンも、夜の美人鍋もローカルの野菜がいっぱいでうれしい限りだ。美人鍋とはハワイ島の鶏を8〜12時間も煮込んだ、コラーゲンたっぷりの白湯スープで食する鍋のこと。野菜畑のように盛り付けられたさまざまな具材の中でもひときわ目立っているのが紅芯大根(コウシンダイコン)だ。

 

ウォーターメロンラディッシュのネーミングに胸キュン。

ダウンツーアースで紅芯大根を見つけて買おうとした時、いつも優しい売り場のおじさんが、「Watermelonradish is so good!」とウインクした。え〜〜、紅芯大根のこと、アメリカではウォーターメロンラデッシュっていうの! 確かにスイカそっくり!
紅芯大根のふるさとは中国だ。中国では“心里美”と書いてシンリーメイと呼ばれている。美は中心に宿る、みたいな感じの意味かなあと想像したり、シンリーメイという美しい音色も気に入って、私は日本名で呼ばず、中国名で呼んだりしていた。でもドンピシャなビジュアル系の英語名を知ったからには断然、ウォーターメロンラディッシュに改名する。

 

 

これ、外見が地味すぎるからまだ存在を知られていない気がする。なので私はウォーターメロンラディッシュの広報係になって、友人たちにカンタン料理を差し入れしまくっている。
作るのは、ウォーターメロンラディッシュと赤カブやニンジンの赤組サラダ。クシャクとみずみずしい食感、辛味のない爽やかな味わい。ウォーターメロンラディッシュと白大根の紅白浅漬け合戦。ウォーターメロンラディッシュのラセン切りなどなど。ビクトリアシークレットにも負けない鮮やかなピンクに皆、とても喜んでくれる。味はシャクシャクとみずみずしく、辛味のない爽やかな味わい。酢漬けにすると、ピンクからレッドに変化するのも面白い。

 

消化酵素がたっぷりで、抗酸化作用は白大根の8倍!

大根系には全般に3つの消化酵素が含まれている。炭水化物を分解する「アミラーゼ」(別名ジアスターゼ)、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂質を分解するリパーゼだ。ウォーターメロンラディッシュを食べておくと、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素を、オールインワンで消化吸収してくれる。
また、このピンクの色はアントシアニンという抗酸化成分。血管をサビさせる活性酸素の働きを消す作用が、白大根の8倍も含まれている(女子栄養大調べ)。ピンク色を見ると女子力も上がるし、内側からアンチエージングもできるし、ウォーターメロンラディッシュの広報係としては鼻高々。
青首大根のでき損ないみたいな、小さくて地味な外見だけど、ファーマーズマーケットでも売っているのでぜひお見逃しなく!

 

 

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター

『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。