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HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.5

Bynikkansan

6月 11, 2016

HAWAII! OISHII!
ハワイイ! オイシイイ!

コラム@ココナッツラバー #05

 

市販されているココナッツオイルは2つに大別できる。ひとつはココナッツの味も香りも生きているバージンココナッツオイル。もうひとつは味や香りを精製して無味無臭か、風味を抑えたココナッツオイルだ。

正確には、精製=Refined、漂白=Bleached、消臭=Deodorizedの頭文字をとってRBDオイルと呼ばれる。RBDオイルとラベルに表示されているのもあるが、ハワイではRefinedのみが表示された商品が多いように思う。 バージンじゃなくても効果は同じ。 優劣つけてごめんね、RBD。

 

そしてココナッツオイルの健康効果に詳しい人は、私も含めて大半が、RBDオイルには有効成分があまり期待できないとして、バージンココナッツオイルを薦めてきた。「値段が高くても、買うならバージンじゃないと効果なし」なんて、RBDをばっさり切り捨ててしまうメディアも少なくない。確かにバージンは、加熱せずに自然のままを一番搾りしたタイプなら、熱に弱い酵素やポリフェノールが生きていて、栄養効果は高いといえる。でも、大豆油やコーン油など、その他大勢の油と同じように、熱処理しながら抽出されたRBDココナッツオイルの健康効果はゼロかといえば、とんでもない。アルツハイマー病を改善し、アンチエージングやダイエットに貢献する、中鎖脂肪酸やラウリン酸はちゃんと生きているのだ。

 

アメリカでココナッツオイルの第一人者とされるブルース・ファイフ博士も、バージンもRBDも大差なしと公言した。ココナッツオイルの生産量が世界第一位のフィリピンには、“ココナッツ庁”という可愛らしい政府機関があって、そこの科学者の最新研究では、RBDのほうが活性酸素を抑える力が強いとのデータも発表された。 ごめんね、RBD。味も匂いもしない君は和洋中華、どんな料理も黙って引き立ててくれる。値段も手頃だから揚げ油にも使える。背伸びせずにつきあえる親友になろう! コスパにも優れたRBDオイルは、 揚げ油にくり返し使えてヘルシー。 ココナッツオイルは酸化しにくいから、揚げ油としてくり返し使える。パン粉のかわりに、ココナッツフレークして、おしゃれなエビフライを。

 

ココナッツシュリンプ

〈材料〉 RBDココナッツオイル、中~大サイズのエビ適量、小麦粉、卵、ココナッツフレーク

〈作り方〉 ①エビの殻と背ワタをとり、水気を取る。 ②①に軽く塩コショウし、小麦粉、溶き卵の順につける。 ③ココナッツフレークをパン粉のようにエビにつける。たっぷりつけてカサ増ししても、衣そのものがおいしいのでOK。 ④鍋にココナッツオイルを2~3cm入れ、170度ほどの火加減でうっすらキツネ色に揚げる。

 

 

私が気に入っているのは、サムズクラブで買える“Refined”のオーガニックココナッツオイル。1.6ℓ入りのメガサイズで13$ほど。右はココナッツフレーク。タルタルソースやレモンなど、好みの味を添えて。お客さんの時にもウケがいい。

 

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター


『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。