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HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.20 コラム@ココナッツラバー

ホワイトオムレツはケチャップだと強すぎ。私はレモンピールと塩コショウをふりかけて食べるのが好き。

 

 

前回に続き、卵にまつわる話しをしたい。何年か前、ホールフーズで牛乳パックに入った卵白を売っているのを見つけて驚いた。卵の白身だけ?!  ハワイの友人に訊ねると、もともとはお菓子作り用のものだったけど、最近はヘルスコンシャスな人が買うという。「ホワイトオムレツって知らないの?  ニューヨークでは普通だよ。オムレツのメニューがあるレストランなら、エッグホワイトにしてってオーダーすれば卵白だけで作ってくれるの」、だって。

 

エッグホワイトは、最高のタンパク質。

確かに卵白と卵黄では栄養価が違う。カロリー(白)17kcl(: 黄)72kcl、脂肪 (白)0.06g:(黄)4.51g、コレステロール(白)0mg:(黄)210mg、タンパク質 (白)3.6g:(黄)2.7g――。

卵白の方が、カロリーや脂肪分が低くてノンコレステロール、なのに高タンパク。ダイエットをしている人やアスリートが、黄身ヌキするのもわからなくはない。でも黄身あっての卵料理、白身だけのホワイトオムレツなんて、白目剥き出しのお化けみたいで気味悪いんじゃないの? と、時は流れて。

そうしたらこないだ、ペニンシュラ東京に泊まっている友人を訪ねたところ、 朝食にホワイトオムレツを食べていた。朝っぱらからお洒落だねえ、東京にもホワイトオムレツは上陸していたんだねえ、なんて言いながら試食させてもらったら、おいしいの! 泡立ててメレンゲにして、ほうれん草を混ぜ込んで焼いてある。これ、モンサンミッシェルのオムレツ発祥の店のやり方とおんなじだ。

さっそく作ってみた。メレンゲはハンドミキサーで簡単にできるが、白身が冷え過ぎているとよく泡立たないのでご注意を。私は何も入れず、軽く塩で味付け、エキストラバージンオリーブオイルで焼いた。モンサンミッシェルのオムレツ屋(今は日本各地に出店があるけど)はメレンゲに黄 身を混ぜ、ソースがわりにフォアグラのリゾットやラタトゥイユがチョイスできる濃厚版だが、淡白なホワイトオムレツには味の濃いソースは向かない。

私がベストマッチだと思うのは、乾燥したレモンピール。ハワイではオーガニックのレモンピールや、塩コショウとブレンドしたレモンピールを売っているので、これを振りかける。残った黄身で はマヨネーズを作る。このお手製マヨネーズをホワイトオムレツにつけて食べても、白身と黄身が再会できておいしい。あれ、堂々巡り?

オーガニックのレモンピールや、塩コショウとブレンドされたレモンピールは、 日本へのお土産にも買う。

 

体内には、10万種類のタンパク質がある!

先日、最先端のスキンケアの取材をしてきた。ヒトの体は約60兆コの細胞で作られている。その組成の70%は水分で、残りの約半分はタンパク質でできている。体内には10万種類ものタンパク 質があるといわれ、ヒトのすべての生命現象は、タンパク質が中心となって行われているというのだ。

たとえば、活性酸素のダメージから肌を守るのはアルギナーゼというタンパク質、肌のターンオーバーを高めて若々しさを保つのはインターロイキン1raというタンパク質などだ。タンパク質 様々、ホワイトオムレツ定番化なるか!?

 

(日刊サン 2015. 10. 21)

 

 

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター


『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII 住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。