日刊サンWEB

過去記事サイト

HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.1

Bynikkansan

5月 14, 2016

HAWAII! OISHII!
ハワイイ! オイシイイ!

コラム@ココナッツラバー #01

 

初めてココナッツオイルを見染めたのは5年ほど前、カハラのホールフーズでだった。

ラベルには“エキストラバージン”と、オリーブオイルのように表示され、なんだかいわくありげ。日本では見かけたことがなかったので、お土産にもいいなと、買って帰った。ハワイといえばココナッツアイランド、ココナッツカップスのフラガールなぞを夢想しながら。 当時の私はココナッツオイルのすばらしい健康効果など、まったく知らない無知だった。 しかも。ハワイの部屋では透明の液体だったココナッツオイルが、東京の自宅に持ち帰ると白い個体になってしまった。あれ、なんで? 劣化したんだろうか。不気味だったので使わずに放置して、忘れていた。

 

しばらくしてハワイに戻ると、あちこちのスーパーでココナッツオイルが売られていた。アメリカ人の友人が、セレブやヘルスコンシャスなモデルの間で、ココナッツオイルが評判になっていると教えてくれた。ネットや自然療法家から情報を探り、驚くべき事実と出逢った。 ココナッツオイルは、 ボケない、老けない、太らない! 不治の病といわれる若年性認知症が改善した―、血管をサビさせる活性酸素の働きを消す作用がある―、体の中で燃えやすいオイルだから、ダイエットに役立つ―。そんな、メガトン級の健康効果がいくつもヒットした。ココナッツオイルのことをもっと調べた、食べた、たくさんの銘柄を使ってみた。

 

そして去年、『ココナッツオイルバイブル』を取材、執筆した。 ココナッツオイルの取説と、 簡単ヘルシー料理。 というわけでこのコラムでは、ココナッツオイルやココナッツ食材の役立つ健康情報と、おいしい食べ方を中心に、ハワイならではの食材を使った、簡単レシピを紹介してゆきます。どうぞよろしく。

 

さて、いとしのココナッツオイルにはいくつかの性質がある。まず、摂氏25度前後を境に、温度が高ければ白濁したゼリー状になり、さらに透明に溶けたりして、低温なら白い個体にもなる。優柔不断に溶けたり固まったりを繰り返しても、劣化しない強さが長所だから、保存は室温で放ったらかしでよし。

 

最も簡単なココナッツオイル料理は、卵かけご飯。ココナッツオイルは卵料理と相性抜群だ。ハワイの卵はメインランドのもローカルのも、日本の卵と比べて味が淡白に感じる。ココナッツオイルはそんな卵にコクを与えてくれる。さらにさらに、生卵を冷凍庫で凍らせるという、大胆な、だれかに叱られそうな荒ワザを使うと、卵の黄身があら不思議、ねっとりと濃厚になる。

 

冷凍卵かけご飯 材料(1人分) 生卵・・・1個、温かいご飯・・・1膳、ココナッツオイル・・・大さじ1、醤油・・・適宜 〈作り方〉 ①生卵を殻のまま、ビニール袋かプラスチック容器に入れて、冷凍庫で最低7時間以上凍らせる(凍る途中で中身が膨張し、卵の殻にひびが入るが心配ご無用)。 ②室温で解凍し、殻を剥く。 ③温かいご飯の上にのせ、ココナッツオイルと醤油をかけ、黄身と白身とご飯をよく混ぜながらいただく。

 

(ココナッツオイル)

左がエキストラバージンココナッツオイルで、トロピカルな味と香りがある。右が精製度を高め、無味無臭に近いタイプ。和食や中華にも使える。どちらもオーガニックで、ケミカルな溶剤などは使っていない純正オイル。

 

(冷凍卵かけご飯)

この冷凍生卵、黄身だけを醤油やめんつゆに漬けておくと、なめ味噌のような、お酒の肴にも一興の味わい。白身は澄まし汁などに。

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター


『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。