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HAWAII! OISHII!ハワイ!!オイシイ! VOL.74 コラム@ココナッツラバー

Bynikkansan

5月 26, 2018

 

私が在籍するホノルルキリスト教会は、自他共に認める食いしん坊の教会だ。KZOOラジオのメッセージでもおなじみの、関真士パスターが主任牧師で、なんと彼は元コックさん。  

 

今も料理と茶道が趣味で、握り寿しの腕前を落とさぬよう、銀座三ツ星、名人の握りの所作を、動画でエア練習しているらしい。礼拝後のランチの水準も高い。手作りキムチが大人気のY子さん、具沢山の炊き込み御飯が恒例のK子さんなど、チームに分かれて作り、私も第二日曜日のランチ当番メンバーだ。 Aloha E Komo Mai! 業務用スーパー、Chef Zone そのランチ当番仲間たちと、業務用スーパーChef Zoneに行ってきた。店のロゴは、赤いベースに真っ白のシェフハットのマーク。店頭にはハワイ語で大きく「E Komo Mai!」とある。リロ&スティッチの曲に「アロハ エコモマイ」って可愛い曲があったっけ! 意味はようこそ、ウエルカム。エコモマイのひと言で、巨大倉庫のそっけない外観が、とっても温かく招き入れてくれている気がしてきた。航空会社に勤めるミエコは、「ここ、うちの会社からものすごく近い、今度から仕事帰りに寄れて超便利!」と早くもフィーバー。ただ業務用の卸し売店だから、私たちシロウトでも買えるのかな?と、すぐカウンターで確認してくれる。  

 

ちゃんと英語を話せる人と一緒のお出かけは、こういう時に安心だ。私一人だと、「ええと、メンバーシップポリシー○×○×」とパニくる。「会員登録はあるけれど一般はすごくゆるいみたい。年会費もフリー。ビジネスメンバー登録をすると、早朝6時から買い出しができるんだって」すばらしい要約!ハワイの胃袋を支える冷蔵庫は、体育館より巨大! 厨房用品のスーパーはダウンタウンのバーグリーンやミッドシティなどの店があるけれど、食品を扱っているのはおそらくシェフゾーンだけだ。入ってすぐ、キングサイズの枕みたいに大きい干し椎茸のメガ袋に遭遇!ドラム缶に入った醤油や味噌、3パウンド以上の漬物や水煮など、和食の食材が多く目につくのは、ハワイに日本料理店が多い証拠。胃袋を支えられているのだ。店内は人が歩くとセンサーで照明が点く省エネで薄暗いから、どのくらい広いのか奥まで見渡せない。大棚の中を歩くと、鍋やストッカーの調理器具のあるコーナーに。どれもこれも無骨で用の美、かっこいい。

 

粉モノだけの列もあって、小麦大麦、タピオカ粉やコーンやココナッツパウダー、今どきのグルテンフリーもずらり。食の流行が敏感に反映されている。驚いたのは冷蔵庫。Chill Zoneと表示された入り口は分厚いシャッターが降りていて、傍に防寒コートのラックが。そばに寄ると自動でシャッターが上がり、冷気を感じる。だぶだぶの青い防寒コートを羽織って中へ。野菜が並んでいる。キャベツやレタスは4個1袋、トマトは普通の1パックと、商品によってメガサイズだったり普通サイズだったり。安いのとそうでもないのと、値段もまちまち。チーズや肉もその先にずらり、反対側の壁は全て冷凍食品だ。中華食材や魚介、スイーツなんでもござれ。安いか高いか品質は? よくチェックしようとするんだけど、3分もたたないうちに寒くて頭がフリーズしそうになる。体育館より広い奥まで行くと、凍死の危機まで感じる。 「ピッツバークの冬を思い出すなあ」、仲間のノリは余裕だ。一度行ったくらいじゃ分からないプロ仕様の奥義、とりあえず次のランチはChef Zone の冷凍シーフードでパエリアを作ることに決定!

 

 

(日刊サン 2018.05.26)

 

 

 

 

奥山 夏実 おくやまなつみ ライター  

『クロワッサン』の特約記者を25年続け、2017年ハワイに移住。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。