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人気料理研究家 藤沢セリカさんコラム ”良質オイルを食べて体質改善”

オイルは体に良いの?

オイル(油)というと「太る」とか「体に悪い」というイメージが強いですよね。でもそれは体に悪いオイルを食べたときの話。そう、オイルには「体に良い」ものと「体に悪い」ものがあるのです。悪いオイルを摂った場合は中性脂肪が増えてメタボになったり、動脈硬化などの血管の病気の原因になることも。ただ「太る」だけではなく、成人病の原因にもつながるので、オイルはしっかり選びましょう。

では良質なオイルはどう体に良いのか? 食べ物での体質改善はよくありますが、オイルがそれに役立つとはなかなか考えにくいですよね? でもオイルは毎日の食事に欠かせないものだから自然に体に蓄積される、と思ってください。

 

ココがポイント!

蓄積って怖い言葉ですよね、体に溜まるもののことを言います。これは悪いオイルの話し。では良いオイルはどうなるか? それは蓄積されずに流れるもの、なのです。オイルによっては体に溜まった悪いオイルも一緒に流してくれる優れものもあるので、しっかり選ぶようにしましょう。

 

オイルの種類

オイルは動物性脂肪と植物性脂肪に大きく分けることができます。動物性脂肪は飽和脂肪酸のグループで、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸などがあります。例外的に、植物オイルであるココナッツオイルは飽和脂肪酸の中の中鎖脂肪酸です。

 

植物オイルは不飽和脂肪酸というグループです。オメガというのは、脂肪酸を構成する炭素のつながりが、最後尾(オメガ)から数えて何番めに特徴があるかを表す記号です。

健康的なオイルとしておなじみのオメガ3の他に、最近はオメガ5やオメガ7の健康効果も注目されています。オメガ3とオメガ6は体の中で作られないので、食品から摂る必要のある“必須脂肪酸”です。ただ現代人は加工食品やジャンクフードから過剰にオメガ6を摂取し過ぎています。

オメガ6とオメガ3は分解する消化酵素が同じなので、オメガ6を摂り過ぎると、オメガ3で使いたい酵素がなくなってしまいます。 またオメガ6は最近の研究で、摂りすぎるとアレルギー反応を起こす、がんの危険因子にもなることがわかってきました。サラダ油などはこのオメガ6です。

一方オメガ3はそれを抑制するのです。そのため私たちはオメガ3を1日2g以上摂る必要があります。ただオメガ3は熱に弱いので加熱調理は避けましょう。では、代表的なオメガ3、6、9はどんな食品に入っているのか、それぞれの特徴をみてみましょう。

 

オメガ3(αリノレン酸)

積極的に摂りたいオイルです。代表的なものはアマニ油、エゴマ油、チアシード油、ヘンプシード、サチャインチオイル、魚の油など。含まれている食品はチアシード、クルミ、サバ、すじこ、いくら、アユ、さんま、イワシ、ブリなど。 主な作用は、アレルギー抑制、炎症抑制、血栓抑制、血管広張など。

 

オメガ6(リノール酸)

現代人が最も多く摂っているオイルです。代表的なものは、べにばな油、コーン湯、ごま油、サラダ油など。オメガ6の代表的な脂肪酸の「リノール酸」は悪玉コレステロールを低くする働きがあるからたくさん採ったほうが良い、という宣伝があったのですが、実は同時に善玉コレステロールも低くしてしまうことが分かり、一気に悪者になった脂肪酸です。では食べない方がいいの? いえいえ、そんなことはありません。ただ現代人は多く摂り過ぎているので、それをバランスよく摂れば問題ありません。

オメガ3とオメガ6のバランスは、1:1が理想です。

 

オメガ9(オレイン酸)

加熱調理もできるオイルたちです。代表的なものは、オリーブ油、キャノーラ油、ピーナッツ油、パーム油など。血液中の悪玉コレステロールを少なくして動脈硬化や心臓病、高血圧の予防にも効果があるとされています。また胃腸を整え、便秘解消にも効果が期待されます。比較的扱いやすいので、オメガ6(サラダ油など)の代替えで使うことをおすすめします。

脳の栄養に最適なオイルです。代表的なものはココナッツオイル。以前にもココナッツオイルの記事でお話ししましたが、中鎖脂肪酸とはココナッツオイルやパームフルーツに含まれている完璧な天然成分。他の油より吸収力が良く、すぐにエネルギーになりやすいという特徴があるため医療現場やスポーツ分野では色々な方法でとり入れられています

※ココナッツオイルのラウニン酸を脳に届けるには糖質制限をしなくてはなりません。また体質的にラウニン酸を脳の栄養源として使えない人も少なくありません。

 

美味しく食べて美しく体質改善しましょう

 

昔のダイエットは油を避けるものが多く、そのせいか痩せてもカサカサな肌や髪になって復活するまでかなりの時間がかかった、なんて経験のある人も少なくないと思います。(実は私もそんなダイエットをして皮膚がパサパサになったことがあります)

オイルは正しく摂ると体にもいいし、キレイにもなれる、ということを覚えておいてください。ここからは私のおすすめ。

まずは普段のお料理(加熱)に使う油は全てオリーブオイルとココナッツオイルに置き換える。揚げ物もオリーブオイルで作るとさっぱり仕上がります。翌日になっても油っこさを感じません。もちろんココナッツオイルでも作れます。ただココナッツオイルは揚げ物に使うと最初は泡が出てビックリします。でも大丈夫、泡はすぐに小さくなります。

生で食べるもの。たとえばサラダなどはアマニ油がおすすめ。野菜に塩コショウし、ビネガーをたらしたらアマニ油をかける、これでOK!

体内に蓄積した悪い油を一緒に流してくれる中鎖脂肪酸(ココナッツオイル)の摂り方は、一番簡単な方法としては朝のコーヒーに入れたり、スープに入れていただくこと。1日大さじ2杯分を取れば余分な油を流してくれます。

自分で、ちょっとでもアレルギーかな? と感じたら、オメガ6を避けてオメガ3を摂取してみては? 体質改善になる、と思います。

 

健康オイルレシピ

オメガ3を美味しく毎日食べる方法、それはサラダが一番! でも塩、コショウ、ビネガー、オイルと順番にかけるのもめんどくさい! なんてアナタにはドレッシングがおすすめです。旬の野菜をすりおろして作る生ドレッシングは最高に美味しい! ぜひ、お試しください!

 

ニンジンのドレッシング

<材料 2人分>

・にんじん 1/2本

・塩 小さじ2

・こしょう 少々

・ハチミツ 小さじ2

・ビネガー 100㏄

・アマニ油 100㏄

<作り方>

①にんじんはすりおろす。

②容器に全ての材料を入れて混ぜ合わせる。

 

 

 

藤沢セリカ
ハワイ・アイランド料理研究家。アンチエイジングアドバイザー。ハーブコーディネイター。 料理研究家の母から料理を学ぶ。ハワイ滞在と子育てをきっかけに料理研究家へ。その後さまざまな国へ渡り、現地のレストランなどで修業し、多国籍料理への造詣を深める。多国籍料理ベースのオリジナリティある家庭料理をTV、雑誌、書籍などで発表し、好評を得る。著書に「おうちでハワイアンごはん60」(宝島社)、「Theハワイアンパンケーキレシピ」(河出書房新社)、共同監修書に「ハーブとスパイスの図鑑」、料理担当書に「ワインの図鑑」(マイナビ)などがある。 「ケトジェニックダイエットレシピ」(河出書房新社) 「ボケを遠ざけるココナッツオイルレシピ」(河出書房新社) 「ココナッツ君の出番です!」(スターダスト出版)
オフィシャルホームページ「アロハデリ」 http://www.aloha-deli.com