●味覚を研ぎ澄まし、楽しむ料理
今回のFood Trend特集では、モントリオールで大流行していて予約必須のレストラン『O’NOIR』をご紹介いたします。最近ニューヨークや各都市でも人気沸騰中、真っ暗な部屋(何も見えない中)でコース料理をいただくことができるレストランなんです!
真っ暗な部屋で食べるなんて…少しは明るいんでしょ?と思っている方!ご飯を食べる部屋には光は一切なく真っ暗な世界です。
まず、入店するとログハウスのような薄明るい癒し系のラウンジがあり、ロッカーに荷物を預けます。暗い部屋に行くので、貴重品以外は預けるのが無難です。荷物を預けた後、料理やドリンクの注文をします。O’NOIRでは2サービスもしくは3サービスのコースのどちらかを選びます。スターター・メインディッシュ・デザートの中から好きな組み合わせのコースを選択。
メニューはポークフィレミニヨンのマンゴーソース添えなどオリジナリティーのある魅力的な料理が豊富です。スターターとメインディッシュには「サプライズディッシュ」があり、メニューにない料理がでてくるとのこと。アレルギーや苦手なものがある方は注意が必要かと思いますが、暗闇でご自身の味覚を試してみたいという方には最適なメニューだと思います。(※なお、アレルギーをお持ちの方は電話予約の際に詳細を伝えるよう指示があります。)
私はスターターとメインディッシュの2サービスを選択。アレルギーや苦手食材がないので、両方とも“サプライズディッシュ”にし、併せてワインを注文しました。
●いざ漆黒の世界へ
料理の注文が終わると、いよいよ真っ暗なお部屋へと案内されます。真っ暗な部屋の扉を通る際には後ろから店員さんの肩をつかみ、複数名で来店した際には電車ごっこのように続いて部屋へと誘導されていきます。
部屋の中はまさに真っ暗。あたり一面なにも見えませんが、席に座るまで店員さんが慣れた様子で案内してくれます。部屋にはお客さんが他にもいるので、注意しながら進みます。
席について少し経つと、「パンをお持ちしました。バターもパンのお皿に載せていますが、バターを塗れるかどうかは幸運を祈ります。」と…。いよいよアドベンチャーが始まりました。手探りでパンを探しあて、バターを探していると指に何かがベとっと。それはパンに塗るはずのバター。私に幸運の女神は微笑んでくれなかったようです。
ワインは左肩に添えるようにして渡されます。ワイングラスは不安定なので、しっかりと探しあてグラスをうっかり倒してしまわない様にしなくてはなりません。プラスチックではなくしっかりとしたグラスなので要注意です。
そうこうしているうちに、スターターが運ばれてきました。見た目がわからないので早速ひと口…この触感・香り・味はなんの食材かと感覚を研ぎ澄ませて箸を進めていきます。
メインディッシュも同じように考えながら食べているうちにあっという間に食べ終わってしまいました。サプライズディッシュでなくてもサイドメニューまで細かく手が込んでいて非常に満足感のあるコース内容だと思います。
その後、サービスに含まれてるお茶をいただいて、部屋に入ってきたとき同様に店員さん肩をつかみ部屋を後にします。ラウンジの薄暗い明かりが心地よく感じられます。
●「あたりまえ」にありがとうを
今までにないレストランのスタイルでエンターテイメント性があり店内での時間を楽しむことができました。
真っ暗なので一緒に食事をしている相手も店員さんも周りのお客様も見えません。
一緒に食事をしている人の目を見て会話をしたい、目の前に出された料理を目で楽しみたい、フォークやお水がどこにあるのか確認したいなど普段当たり前のことがない状況で食事をするということはとても不思議で正直少し不安な気持ちにもなりました。
いつも当たり前のように明かりがあって、見た目でも楽しんで食事をすることのありがたさも同時に感じることができます。そういった点も含めてこのお店での体験は非常に有意義な時間で、料理もおいしく満足できるといえるでしょう。
さて、みなさんが召し上がるお料理にはどんなサプライズが待っているでしょうか。
MaiTam 19歳の時、留学で初めて来たモントリオールの街に一目惚れ。 それ以来、日本とモントリオールを何度も行き来しています。たくさん食べ歩いて見つけた、ローカル Food Trendをモントリオールの街並みと一緒にご紹介していきます★ |