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山形県産米「つや姫」プロモーション・イベント閉幕

Bynikkansan

11月 17, 2017

長澤JA全農山形会長らがギフトを進呈した

 

若松正俊山形県副知事ら関係者21人が来布

 ホノルル市で、11月3日、4日の2日間に渡り、山形県産米「つや姫」のプロモーション・イベントが開催された。在ホノルル日本総領事館総領事公邸、ニジヤマーケット・ユニバーシティ店など市内数カ所で行われたイベントには、山形県から来布した若松正俊山形県副知事、長澤豊全農山形県本部運営委員会会長、山形県議会議員4人を含む計21人の関係者が参加。「つや姫」の魅力をハワイの業者や消費者に知ってもらおうと、各所でPRを行った。

 

 つや姫は「炊いてぼれぼれ、冷めても美味しい」をキャッチフレーズに、2010年から販売されている山形県産米。大きい米粒で、形が崩れにくいためふっくらと炊き上がり、旨味、甘味に優れている。つや姫の最大の特徴は、炊きたてが美味しいだけでなく、冷めても美味しく食べられるという点。また、通常の米よりも白色度が高く艶があることから、味だけでなく見た目にも美しい上品な米として、日本全国において高い評価を受けている。

 

 在ホノルル日本総領事館総領事公邸で3日昼に行われたレセプションには、齋藤譲一ハワイ山形県民会会長、夘木栄人サンヌードル代表取締役社長、山形県関係者に加え、ハワイで食を扱う業者約70人が招待された。つや姫を筆頭に日本酒や山形牛、山形鋳物や笹野一刀彫りなど、山形県特産品の魅力に親しんだ。

 始めに、伊藤康一総領事が挨拶の中で「私は約1ヶ月前に北京の日本大使館からこちらに転勤して来ました。このイベントは在ホノルル日本総領事として参加する初めての大きなイベントです。今日は、レストランを始めとした食料品をビジネスとして扱っている方々を中心にお招きしました。これを機会に、つや姫を通して、日本とハワイの関係がより深まることを願っております」と述べた。

 つぎに、若松山形県副知事が挨拶をし「昨年に引き続き、購買力があり和食文化が浸透しているハワイの人々に、山形県を代表する魅力的な産品をご紹介する機会を得ることができました。総領事館を始め、ご協力をいただいた方々に大変感謝しております。今後ともハワイにおいて、さらに山形県の産品を広めると共に、山形県がハワイの人々の観光地の1つとなるよう、多方面から県の魅力をPRしていきたいと思います」と語った。

レセプションで挨拶をする伊藤康一総領事(左)、若松正俊山形県副知事(右)

 

 続いて挨拶をした小松伸也山形県議会議員は「以前から山形県では『つや姫』という美味しいお米を世界に広めたいという夢が語られていました。夘木サンヌードル社長がハワイにおけるつや姫の販売を実現してくださったことに、大変感謝しております」と述べた。

 山形県で最初につや姫を栽培した生産者の1人で「つや姫マイスター」の土屋喜久夫さんは「生産者の立場からつや姫を紹介しようと、ハワイにやって参りました。つや姫は、山形県が10年間の歳月をかけて作った日本一のブランド米です。このお米は、山形県つや姫ブランド化推進本部長の吉村美栄子山形県知事が認定した農家でなければ、栽培することができません。つや姫は、農薬や化学肥料の使用量を通常の半分以下に抑えて栽培されており、消費者の健康と自然環境の両方に配慮した特別栽培米、有機栽培米です。山形県のJA、行政、市民、農家などが一体となってつや姫の栽培に成功し、日本国内に留まらず、このようにハワイにまで広められることを大変喜ばしく思っております」と語った。

小松伸也山形県議会議員(左)、「つや姫」生産者の土屋喜久夫さん(右)

 

 その後、鈴木政宜JA全農山形農業支援統括部山形ブランド推進課課長が壇上に立ち、県の特産品の一つである山形牛について次のように説明した。「山形牛の肥育期間は、30〜36ヶ月と通常の24ヶ月よりも長く、肥育中は牛にストレスを与えないことに配慮しています。生産された牛肉を山形牛として販売するには、3つの条件を満たさなければなりません。1つ目は、山形県内で肥育された出産経験のない雌牛か、ホルモン分泌を抑えるために去勢された雄牛の黒毛和牛であること。2つ目は、公益社団法人日本食肉格付協会が定める肉質が3等級以上であること。3つ目は、各行政機関で実施される放射性物質検査において放射性物質が不検出であることです。山形県は、蔵王連峰のように標高1500メートルを超える高い山々に囲まれた地形となっており、昼夜の温度差の大きいことが特徴です。この環境が、甘味がある良質な肉質にきめ細やかな脂質を伴った口溶けのよい牛肉の源となっています。」

 続いて壇上に上がった山形酒造組合特別顧問の小関敏彦さんは、山形で醸される日本酒について次のように述べた。「山形県は酒造好適米の種類が兵庫県に次いで全国で2番目に多く、代表的なものに、20年以上をかけて研究、開発された『出羽燦々』があります。山形県には50以上の酒蔵がありますが、その全ての蔵で美味しいお酒を造れる理由は、鳥海山を始めとする山々に囲まれた環境、そこから湧き出る綺麗な地下水、良質な酵母製造の技術 などにあります。」

鈴木政宜JA全農山形農業支援統括部山形ブランド推進課課長(左)、小関敏彦 山形酒造組合特別顧問(右)

 

 その後、公邸内のラナイ、中庭で開かれたガーデンパーティでは、つや姫のおにぎり、山形牛のステーキ、山形県内15酒造29銘柄の日本酒、山形そば、ラ・フランスの菓子などがビュッフェ形式で振舞われ、招待客は山形特産の食べ物に舌鼓を打ちながら交流を楽しんだ。

総領事公邸で開かれたガーデンパーティの様子(左)、総領事館のレセプションでは山形県産の日本酒が振舞われた(右)

 

 ニジヤマーケット・ユニバーシティ店で4日午後に行われた販売店イベントには、大勢の観客が集まり、配られたつや姫のおにぎりを試食しながら、山形県の特産米に親しんだ。長澤豊JA全農会長の挨拶の後、若松山形県副知事が「山形県では、春は桜、夏はさくらんぼなどの果物狩り、秋は紅葉、冬はスキーなどの雪遊びが楽しめます。また、県内にある35市町村全てに温泉が湧いている温泉王国でもあります。ぜひ観光においでください」とPR。また、スペシャルゲストとして伊藤総領事夫妻が飛び入り参加し「今まで、世界各国で日本の物産のPRに関わって来ましたが、つや姫ほど美味しいお米はないと感じました」と語ると、観客から歓声と大きな拍手が沸いた。その後、長澤会長と若松副知事が、先着100人につや姫500gとハワイの水のセット、山形県の工芸品「御殿鞠」のストラップをギフトとして進呈。一方で「試食のおにぎりが予想外に美味しかったから」と、早速つや姫の袋を抱えてレジに並ぶ多くの客の姿が見られた。

「つや姫」と先着100人に進呈されたギフト 

 

 このイベントに参加した70代の女性は「お米を毎日3食、何十年も食べ続けているけれど、ここまで美味しいお米は始めて食べましたね。もっちりとしていて、適度な甘味があります。味が消されるのがもったいないから、ふりかけなんかはかけずにお米だけで食べたいわ。もちろん買って帰ります。早く家族にも食べさせてあげたいです」と語った。

 

(取材・文 佐藤友紀)