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人気料理研究家 藤沢セリカさんの【食べてアンチエイジング! 美味しい年の重ね方】

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こんにちは、ハワイ・アイランド料理研究家の藤沢セリカです。

今回より健康、アンチエイジングをテーマに、食を中心とした内容で、みなさまのお役の立てる情報をお伝えしたいと思います。

 

アンチエイジングとは?

言葉の通り、「加齢はいやだ!」なのですが、意味としては老化防止、加齢に伴う症状の予防と治療、というもの。いまや30代からアンチエイジング治療は求められ、あらゆる施術を行う美容整形外科も増えました。簡単なものだとヒアルロン酸やコラーゲン、ボトックス注射などで、少ない金額でも一瞬にして効果を得られることが出来ます。その一方、簡単な施術で取り返しのつかない状態になった人も少なくありません。

そこで私が考えるアンチエイジングは、「毎日続ける“食べる習慣”」。

当然、老化にはホルモンバランスや酸化(フリーラジカル)、ストレスなどの精神的バランスも大きく影響してきますが、食べ物や食生活はその全てに影響を与え、改善や老化防止にもつながります。

一番身近な「食とアンチエイジング」について、学んでいきましょう。

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若く見える? 老けて見える? その違いとは

アンチエイジングの考え方は、「心も体も10歳若返ろう」というもの。老化は外見的、加齢は内面的な心の表れのような気がしますね。良い経験をして歳を積み重ねた加齢であれば、老化も進行が遅くなります。同年齢なのに見た目が10歳くらい違う、なんてことよくありませんか? 楽しみを見つけて生きている人と、苦しいことばかり考えて生きている人。ポジティブかネガティブの思考の違いで、その外見は大きく違うと言われています。

これは美味しく食べる人と、何でもいいからお腹いっぱい食べる人、の違いもあるのだとか。どうせ同じ年を重ねるのなら、心も体も元気で若く、美しくありたいですよね?

 

毎日続ける、食べる習慣

老化、加齢、どちらにも影響する毎日の食事。みなさんは何を、どんな食べ方をしていますか?基本的に朝、昼、晩の三食でしょうか?

みなさんもご存じだと思いますが、より健康的でアンチエイジングな食事のとり方、24時間サイクルを今一度見直してみましょう。

 

★時間の習慣  

補給(食べる)・・・・・・午後12時~午後8時  

同化(吸収する)・・・・午後8時~午前4時  

排泄(出す)・・・・・・・・午前4時~午後12時

 

このサイクルはあくまで体が活発に効率的になる時間帯です。どんな時間帯でも捕食(食べる)すれば、そこからサイクルはスタートします。ただ、同化や排泄の時間に食事をすると、本来の役目にあてるエネルギーが分散され、栄養が行き届かなかったり、便秘になったりします。それは老化、肌荒れの原因にもなります。

 

★食べ方の習慣

時間のサイクルでいくと12:00~20:00のみ、食べることが出来ます。この時間内であれば、バランスよく食物繊維、たんぱく質、脂質、糖質、炭水化物をたくさん頂いても大丈夫。

では、朝はどうしたらよいでしょう? サイクルでいくと朝起きてからは捕食できないことになります。朝起きて昼までは口にするのはおさ湯のみ、午前中はデトックスタイム。老廃物や毒素を排出することに体を集中させることがベストです。でも、そうもいかないのが現実。ならば消化や排出のエネルギーを邪魔しないものを食べましょう。

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《朝》

オススメはスムージー。ケールや小松菜をベースにお好みのフルーツを入れて作ります。流動系なら消化のエネルギーも少なく済むし、体に必要なビタミンや食物繊維も簡単に摂れます。500㏄位を目安に、作ったらなるべく早めに飲みきるようにしましょう。

もう一つのオススメはフルーツヨーグルト。小さ目にカットしたお好みのフルーツにプレーンヨーグルトを入れ、オーガニックのローハニーをかければ完璧!

あとは水やフレッシュジュースで昼まで乗り切りましょう。

《昼》

さて、待ちに待ったお昼ご飯。 なんでも食べていい、と言っておにぎりだけ食べる、なんてことはNG。あくまでも栄養を考えバランスよく食べることが健康な体を作り、若返りを促進すると言われています。

ここでは消化に時間のかかるもの、肉や魚をたっぷり頂きます。でも食べる順番には気を付けて。ここ近年、雑誌などでもベジダブルファーストという言葉を使っていますが、これは正解。「食物繊維(サラダなど)→たんぱく質(肉、魚など)→炭水化物(ごはん、パン、パスタなど)」この順番が最も理想的です。

なぜなら食物繊維を最初に食べることで急な血糖値の上昇を抑え、唾液の分泌が増えて食べ過ぎをおさえ、便秘の解消にもつながります。

《夜》

晩ごはんは基本的に昼と同じ考え方で構いませんが、野菜中心で消化によいものを選びましょう。大切なことは夜8時までには食べ終わり、寝るときには胃を空っぽの状態にすること。試してみて下さい、翌朝の目覚め、体調の良さ、エネルギーレベルの上昇など、必ず変化があるはずです。

 

食べる種類の習慣・置き換え

まずは使っているオイルを見直しましょう。オイルについては今後特集で詳しく書きますが、オイルの種類にはオメガ3(αリノレン酸)、オメガ6(リノール酸)、オメガ9(オレイン酸)、中鎖脂肪酸などがあります。全てバランスよく摂れていればよいのですが、現代人のほとんどがサラダ油のオメガ6を過剰摂取。摂り過ぎは血管の炎症を引き起こし、脳疾患、動脈硬化、心臓病、ガンなどのリスクを高めると言われています。

そこで救世主が加熱にも強いオリーブオイル(オメガ9)。善玉コレステロールを増やし、腸で栄養素の吸収を助けるエイジング効果が期待できます。 普段のお料理に使うオイルをオリーブオイルに変えるだけ。まずは置き換えからスタートしましょう。

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どうすればAGEを増やさず美肌を手に入れるか?

すぐに満腹感を得られて簡単な食べ物、それは炭水化物です。手間をかけず簡単に済ますことが出来るからと言っておにぎりだけとか、菓子パンだけ食べるなどはもっとも老化を促進する一歩。炭水化物に含まれる糖質は老化物質AGEの大好物です。

AGEとは、「終末糖化産物」体内のたんぱく質とエネルギーとして代謝されずに残った糖がくっつき蓄積され変異したもの。これが発生すると肌のハリが失われ、たるみやくすみの原因にもなります。まさに美容の敵!これを作らない、糖化を防ぐことがアンチエイジングにとって最も重要な課題です。

さて、どうすればAGEを増やさず美肌を手に入れるか?

糖化を防ぐ食事法は、「食後の血糖値を急激に上げない」です。基本的に糖質の低いものを選ぶことがベストですが、食べたいものを食べることが一番の幸せ、ですよね。ならばまずは食べるのをやめる、ではなく置き換える、です。白米を玄米、うどんよりそば、といったように食物繊維やミネラルが多い精白されていないものを選びます。食物繊維は糖質の吸収を穏やかにしてくれるので、毎回の食事に野菜をプラス。またキノコ類や海藻、大豆類などの糖質が低いものを積極的に摂りいれ、バランスのとれた食生活を心がけましょう。日々の食べ方、組み合わせの工夫がアンチエイジングに繋がります。

 

★★ アンチエイジングにおすすめのメニュー 1日シュミレーション ★★

☆ 朝 ☆
小松菜、リンゴ、キウイ、パイナップル、レモンを入れたスムージー、どうしてもお腹が空いたら、ヨーグルト
☆ 昼 ☆
グリーンサラダ、きのこのマリネ、ライ麦パン、牛肉の赤ワイン煮(下記レシピ参照)

☆ 夜 ☆
豆腐のサラダ、玄米 ナスの煮びたし、しゃけと野菜、きのこのホイル焼き

 

【牛肉の赤ワイン煮】

(材料2人分)

牛ブロック・・・400g

玉ねぎ・・・1個

オリーブオイル・・・大さじ2

にんにく(つぶす)・・・1かけ

赤ワイン・・・1カップ(200cc)

デミグラスソース・・・1カップ

コンソメ・・・大さじ1

水・・・400cc

ローリエ・・・1枚 

バター・・・大さじ4 

塩コショウ・・・少々

【作り方】

①玉ねぎはスライスし、肉は大き目に切って塩、コショウをふりかけ15分ほどおきます。

②鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ、にんにくの香りが立ってきたら一旦取り出しておきます。

③①の肉をキッチンペーパーなどで水気をよくふき取り②の鍋に入れて両面こんがり焼きます、

④鍋に玉ねぎを入れて軽く炒めたら赤ワインを加えます。

⑤赤ワインが沸騰してアルコールが飛んだらそこへデミグラスソース、コンソメ、水、ローリエを入れ、弱火で肉が柔らかくなるまで煮込みます。この時、肉が柔らかくないのに水分が足らなくなったら200㏄ほど水を足して、柔らかくなるまで煮込みます。

⑥肉が柔らかくなり、水分も少なくなったら塩、コショウで味をととのえ、バターを落して全体に絡めます。

★盛りつけの一例 牛肉の赤ワイン煮にマッシュポテト、ミニトマトを添える。

 

 

 

(日刊サン 2016. 9. 27)

 

藤沢セリカ
ハワイ・アイランド料理研究家。アンチエイジングアドバイザー。ハーブコーディネイター。 料理研究家の母から料理を学ぶ。ハワイ滞在と子育てをきっかけに料理研究家へ。その後さまざまな国へ渡り、現地のレストランなどで修業し、多国籍料理への造詣を深める。多国籍料理ベースのオリジナリティある家庭料理をTV、雑誌、書籍などで発表し、好評を得る。著書に「Theハワイアンパンケーキレシピ」「ボケを遠ざける健康油 ココナッツオイルレシピ」「ケトジェニックダイエットレシピ」(河出書房新社)共同監修書に「ハーブとスパイスの図鑑」(マイナビ)料理担当書に「ワインの図鑑」などがある。
「おうちでハワイアンごはん60」(宝島社) 「Theエッグベネディクト&フレンチトーストレシピ」(河出書房新社) 「ジャーで簡単デトックスウォーター」(河出書房新社)
オフィシャルホームページ「アロハデリ」 http://www.aloha-deli.com