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人気料理研究家 藤沢セリカさんの【健康とは、生きるということとは?】

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こんにちは、ハワイ・アイランド料理研究家の藤沢セリカです。「日刊サン」で健康コラム&料理レシピの連載を始めさせていただき今回で12回目、1年がたちました。早いものですね、あっという間の出来事みたいです。どれだけの方に読んでいただけたか、そして皆様のお役に立つことができたでしょうか? もし、少しでも何かのお役に立てたことがあるなら、とてもうれしく思います。 さて、今回は最終回ということで1年間を振り返り、「健康とはなにか、楽しく生きるために必要なものとは」の私なりの考え方と対処方法を書かせていただきますね。

 

健康とは、生きるということとは?

持病がないこと?風邪などひいていないこと?運動ができること?「健康」という言葉の意味は人それぞれですよね。私はまず「口からものを食べられること」そして「よく眠れること」だと思っています。いくらどこも悪くない、と言われてもサプリや栄養剤で維持するのは、健康だとは思えません。生きるために食べる、という行為も違う気がします。ただ、そんな時代に生きた方たち、食料の少ない国に生まれた人たちには、当然なのかもしれません。現代を生きる私たちは、食べることにとても恵まれていますね。

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今は慣れましたが、ハワイ初心者だったころ、プレートランチなどの1人前の量があまりに多く「こんなに食べられません」と言ったら、お店の人は「食べられなかったら捨てなさい」と言いました。そして友人も「ハワイ(アメリカ?)は、マックス(たくさん食べる人)に合わせているから、捨てればいいの」と。ショックでした。 私はハワイを知る前、発展途上国、未開の地を旅してきました。そこでは靴もなく、服もなく、飢餓で生きることすら絶たれた人たちを、たくさん見てきました。私にはどうすることもできないことですが、この、あまりにも違いすぎる環境に憤りを感じ、いつしか摂食障害になりました。

今思えば、これが食に取り組むようになったきっかけだったのかもしれません。もともと子供のころから拒食症ぎみで、ガリガリに痩せていました。今では考えられませんが… でもなぜ、そんなことが起こるのでしょう?

子ども時代の拒食症の原因は「転校」でした。慣れない土地と学校でストレスがたまり、「食べない」という行為で親に反抗していたのだと思います。

このようなことは、実は誰にでも起こることで、逆にストレスで食べすぎて激太りする人も少なくありません。食べないのも食べすぎなのも、健康とは言えませんよね。では、一番の健康の敵は何でしょう? もしかすると、ストレスや悲しみなどのネガティブな感情なのではないでしょうか?

 

ポジティブに生きる

「毎日楽しいことばかり! 悩みなんてなーい」なんて方、いらっしゃいますか? もし、アナタがそうなら、マジ最高です! きっと美しいはず、それを維持してください!

でも、そうでない方はどのように健康(ポジティブ)を維持すればよいのでしょうか。

ここで質問です。幸せを感じる瞬間はどのようなときですか?

愛する人といるとき? 楽しい映画を見ているとき? 欲しいものを買ったとき?

シチュエーションは色々ありますが、「おいしいものを食べたとき」はどうでしょう?

「おいしい」はひとそれぞれですが、食は幸せを運んでくれる「行為」だと思います。辛いことや悲しいことがあってもリセットできる自分のスイッチを「おいしく食べる」ことにONしておけば、1日に何度もやり直すことができますね。そう、何があっても、どんなことでも「やり直せる」と思えば怖いことありませんよ。私のポジティブに生きる方法はコレです!

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心と体のバランス

心と健康はリンクしています。落ち込んでいたり、悲しんでいれば食欲もなくなりやつれ、見た目からフケ感満載になります。アンチエイジングに必要なものは、抗酸化力のある食品、体に良いオイル、デトックスする食材…これらは自分一人でもなんとかなります。でも、本当にアンチエイジングに効果的なのは、クサいようですが「愛」だと思います。これは恋人とのラブだけではなく、愛する子どもや友人、ペット、音楽、映画、なんでもです。自分が愛していると思えるもの全てが生きる活力につながります。もちろん大好物もありです。愛している人や物があり、それを大切にしたい、守りたいと思う心は自然に自分の健康にもつながります。もし、愛する家族がいるなら、体に良いおいしいものを食べさせたいと思うでしょ?それは自分も一緒にいただくことになる、だから心と体はバランスよく成長してゆくのです。

 

本当に必要なものとは

アナタにとって必要不可欠なものとはなんでしょう? 

ちょっと前に、日本では断捨離という言葉が流行りました。これは「モノへの執着を捨て不要なモノを減らすことにより、生活の質の向上・心の平穏・運気向上などを得ようとする」という意味。そんなブームで本当は必要なものまで捨ててしまって大後悔している人もいるのではないでしょうか。でも、形あるものはいつか壊れ、朽ち果てるもの、ですよね。本当に必要なもの、私にとっては断然「自由」です。人やものに縛られることなく、自由に考え、行動し、フラットからものを作り出し、生きる。私は根っからのクリエイターです。これも人それぞれですが、自分にとって大切なことを発見する、常に自分の感情にアプローチする、そこから本当に必要なものが見えてくるのだと思います。

 

食に対する取り組み

最近は仕事で職人さんとお話しする機会が多く、ここにきて改めて食を正面から見据え、考えさせられる機会を与えていただいています。ここだけの話?ですが、私はもともと甘いものが苦手で、仕事以外ではスイーツを食べることはありません。でも、その中でチョコレートだけは特別な存在。ビターで甘くないタイプが好きです。チョコレートはポリフェノールがたっぷり含まれ抗酸化作用が強い食品、アンチエイジングには最適なのです。

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ところでBean to barという言葉を聞いたことがありますか?サンフランシスコが発祥の地と言われ文字通り、豆からバー(板チョコ)という意味です。ひとつのファクトリーでカカオ豆を仕入れてからチョコレートになるまでの全ての工程を行い、板チョコレートにしたものをこう言います。カカオの木から育ててチョコにするfarm to barに取り組む人もいます。こうした行いは食の安全性はもちろん、農家への支援にもなりますね。私たちはそこまでのことはできないかもしれませんが、少なくても家族や自分への食の取り組みはできると思います。

なるべく安全な食材を使用し、最小限の調味料を使い調理する。この毎日の小さな行動が、私たちの未来を変える、大きな行動になると思います。

最後になりますが、私たちはどこで生をうけようが、どこに住んでいようが、楽しむために、幸せを堪能するために生まれてきました。決して苦しむため、悲しむために生きているわけではありません。誰が何を言おうとも、自分らしく楽しく自由に生きましょうよ。心が豊かならば、きっと健康にも恵まれ、アンチエイジングにもつながるはずです。

1年間、ありがとうございました! みなさまの健康と、ますますのご発展をお祈り申し上げます。また、お会いできる日を楽しみにしておりますね~。MAHALO

 

【自家製低糖質ケチャップで作るミートソース】

健康レシピ最終回は、先月の手作りケチャップを使ったミートソースです。

<材料 2人分>

・合挽き肉 300g

・玉ねぎ 300g

・にんにく 2かけ

・マッシュルーム 5~6個

・低糖質ケチャップ 150g

・水 200ml

・コンソメ 2個

・オリーブオイル 大さじ2

・パスタ(グルテンフリーの生パスタを使用)100g

<作り方>

①玉ねぎ、にんにくはみじん切りに、マッシュルームはスライスする。

②フライパンにオリーブオイルと①のにんにくを入れて弱火にかける。

③にんにくの香りが出てきたら、①の玉ねぎを入れて中火にし、透き通るまで炒める。

④合挽き肉を加えて色が変わるまで炒める。

⑤低糖質ケチャップと水、コンソメを加えて混ぜ合わせる。

⑥①のマッシュルームも加えて煮込む。

⑦水気が少なくなるまで煮込む。

⑧パスタは好みの硬さに茹でる。皿に盛り、⑦をかけ、好みでパルメザンチーズをふる。

 

(日刊サン 2017.8.22)

 

藤沢セリカ
ハワイ・アイランド料理研究家。アンチエイジングアドバイザー。ハーブコーディネイター。 料理研究家の母から料理を学ぶ。ハワイ滞在と子育てをきっかけに料理研究家へ。その後さまざまな国へ渡り、現地のレストランなどで修業し、多国籍料理への造詣を深める。多国籍料理ベースのオリジナリティある家庭料理をTV、雑誌、書籍などで発表し、好評を得る。著書に「おうちでハワイアンごはん60」(宝島社)、「Theハワイアンパンケーキレシピ」(河出書房新社)、共同監修書に「ハーブとスパイスの図鑑」、料理担当書に「ワインの図鑑」(マイナビ)などがある。 「ケトジェニックダイエットレシピ」(河出書房新社) 「ボケを遠ざけるココナッツオイルレシピ」(河出書房新社) 「ココナッツ君の出番です!」(スターダスト出版)
オフィシャルホームページ「アロハデリ」 http://www.aloha-deli.com