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お腹いっぱい食べても太らない、美アンチエイジング食

ロカボとは?

「ロカボ」って言葉、知っていますか?

最近ではTVや雑誌などでもよく取り上げられていますが、ロカボとはカロリー制限や激しい運動のダイエットとは違い、極端な糖質オフではなく、おいしく楽しく適正糖質を取ることを推奨するものです。では、糖質とはなんでしょう? 以前にも低糖質レシピを紹介しましたが、もう一度勉強していきましょう。

まず人が健康に生きていくうえで欠かせない三大栄養素がたんぱく質、脂質、炭水化物。糖質はこの炭水化物に含まれていて、血糖値を上げる原因にもなっています。ある一定の年齢を過ぎると、頼んでもいないのに病院で血糖値を計られた、なんて人も少なくないはず。では、血糖値が高いとどうなってしまうかというと、最終的には「糖尿病」。糖尿病は遺伝という説もありますが、ほとんどの場合は糖質取り過ぎの食生活でなるのだとか。甘いものはそんなに食べていないのに血糖値が高い、なぜ? と思っているアナタ、それは知らず知らずに隠れ糖質を取っているのです!

血糖値が高い人も、そうでない人も、健康でダイエットにもなるロカボ食、実行してみませんか? しかも隠れ糖質とは? その前に、まずダイエットとは何か、を再度検証していきましょう。

 

間違ったダイエットとは?

ダイエット=「痩せること」と勘違いしていませんか? ダイエットとは言葉の意味で言うと「健康と美容、肥満防止のための食事方法」。決して痩せるためだけのものではありません。ただ痩せて、シワもたるみも増えればアンチエイジングどころか、実年齢より老けて見えることにもなりかねません。それではせっかくの苦労も意味ないですよね。では、ここで皆さんに質問です。痩せるために今までどんなことをしてきましたか? 

多くの人が食事制限と運動を経験しているはず。今回、注目したいのはこの食事制限です。食べたいものを我慢したり、必死にカロリー計算して食べられるものを探したりていませんか? 実は私もその一人でした。1日に摂るカロリーを計算して限られた同じものを食べ続け、でもそんなに痩せずにストレスがたまり、解禁日にドカ食いしてリバウンド、なんてね。

以前はダイエットのスタンダードな方法としてカロリーオフが推奨されていましたが、今は違います。カロリー制限こそが健康と美を損ねる最大の過ち、カロリーが高いほど食後の血糖値が上がりにくい、というエビデンスまで発表されました。

 

糖質を上手にコントロールする「ロカボ」

では、どのようなダイエットが最も効果的に健康で美しくなれるのでしょうか? そこで今、注目されているのが「ロカボ」なのです。今までの極端な糖質制限とは違い、ロカボが提唱する適正糖質は、「1食の糖質量を20~40g」という、ゆるーい感じ。ちなみに現在の一般的な日本人の食生活では1日に300gくらいの糖質を取っているそうです。おにぎり2個と野菜ジュースだけでも100gもの糖質が含まれています。これは、驚きですね。さて、先ほどお話しした隠れ糖質の正体はこれで分かりましたね? 

そうです、甘味を感じないもの、ごはんやパン、麺類などの炭水化物に糖質は多く含まれているのです。でもこれらを食べてはいけない、ということではありません。あくまでも糖質を考えて炭水化物の量を減らし、その分栄養素が高く糖質の低いおかずをたくさん食べれば良いのです。では、糖質が低くて栄養素の高い食品ってなんでしょう? また、代謝を上げるものってなんでしょうか。

 

良質のオイルで代謝の良い体に作り上げる

私の大好きなココナッツオイルもそうですが、オイルはエネルギーを消費するためには欠かせないもの。また、お肌のツヤや張りにも必要な栄養素です。ただ、オイルならなんでもOKというわけではありません。以前にもお話ししたと思いますが、積極的に摂りたいのはオメガ3(αリノレイン酸)青魚やアマニ油などに含まれる成分です。バランスよくオイルを摂ることにより、糖質も分解され、いい意味で体に吸収されていきます。逆に摂り過ぎ注意なのはコーン油やベニバナ油のオメガ6(リノール酸)、マーガリンなど人工的なトランス脂肪酸などです。

 

積極的に食べたいもの、食べたくないもの

具体的にロカボ食になる食材を上げるときりがないのですが、私的にオススメしたいもの、なるべくなら食べない方が良いものをご紹介します。

@PIXTA

 

【食べたいもの】

大豆製品、アーモンドミルク(無糖)、ブロッコリー、ブロッコリースーパースプラウト、チーズ、根菜以外の野菜全般、しらすなどの小魚、鶏ムネ肉、牛肉、豚肉、羊肉、アボカド、卵など。

【食べたくないもの】

スイーツ、白米、うどん、そうめん、そば、ラーメン、パン、パスタなど

 

■一番気をつけたいものは調味料

実はここ、盲点だと思います。調味料は意外と糖質が多く、知らず知らずに糖質過多になっている可能性が高いのです。糖質が高い調味料は、砂糖、みりん、ケチャップ、ソース、甘酢、寿司酢、味噌、甜麺醤など。また、インスタントのルーで言えば、カレー、ハヤシ、シチューなどがあげられます。そこで登場したのが体に蓄積しない甘味料、「ラカントS」。甘さを維持し、しかも自然界から作られたもので、料理の味に支障がないうえ、香ばしさやコクを与えてくれる優れた商品です。日本では「ラカントS」として商品化されていますが、海外でも著名な医師やシェフが推奨しています。ちなみにアメリカでは「MONKFRUIT SWEETENER(モンクフルーツ甘味料)」という名前で販売されています。

 

■糖質オフの食品を利用する

最近ではさまざまな糖質オフの商品が販売されています。調味料や麺類から嗜好品のビールや日本酒まで。そういったものを上手に利用するのもアリだと思います。利点は糖質量が一目でわかること。また、味付けされていないものがほとんどなのでアレンジ可能です。とくに低糖質麺ならお腹いっぱい食べても大丈夫! 調味料さえ工夫すれば、食べたいものを好きなだけ食べることができます。また、肉や野菜、調味料の糖質が一目でわかる「糖質量ブック」なども多く販売されているので、参考にすると良いでしょう。

 

<< ラカントSとは >>

ウリ科の果実「羅漢果」から抽出した高純度エキスと、ワインやキノコなどに含まれる甘味成分エリスリトールでできた自然派甘味料。エリスリトールは糖質の一部ですが、摂取しても体内で代謝されないため、全くカロリーにならず、吸収されても90%以上が排出されるという優れもの。そのため、血糖値にも影響を与えないので、安心して使えますね。

料理にはもちろん、ドリンクやお菓子作りにも重宝します。

 

 理想的な「ロカボな食生活」

今までの糖質制限では「どれを食べてもいいけど、量を減らしなさい」という考え方でしたが、ロカボな食生活では「どれを食べてもいいけど、工夫をしなさい」に変わりました。これってなんか、嬉しいですよね。やはり、生きている実感としておいしいと感じるものをお腹いっぱい食べる、これに尽きると思います。

ロカボは、そんな生き方を楽しく、そして美しく加齢するための要素がたくさん詰まっています。

少しの工夫で可能になるロカボ生活、皆さんも試してみませんか?

 

<< 手作りの低糖質ケチャップレシピ >>

調味料から作るって難しいと思っていませんか? 素材があれば簡単に出来るものもあります。市販のケチャップは糖質が多く、安心して使えないので作りましょう。料理の幅が膨らみます。

煮込み後は約200gで糖質39.8g

 

<材料 2人分>

A)

・ミニトマト(普通のトマトでもOK)  500g 〈糖質23g〉

・パイナップル 80g 〈糖質9.04g〉

・玉ねぎ 約40g 〈糖質2.8g〉

B)

・塩 3g 〈糖質0〉

・ラカントS 小さじ1 〈糖質4.9g〉

・コショウ 少々 〈糖質0〉

・レモン汁 小さじ1 〈糖質0.15〉

<作り方>

①Aの材料をミキサーにかけ、液状にする。

②鍋に①とBの材料を入れ弱火にかけ、1/4ほどになるまで煮詰める。

③最後に塩、コショウ(分量外)で味をととのえる。

★ミキサーがまわりづらい場合、水を足してもよい。

 

参考文献:「カロリー制限の大罪」山田悟著書(幻冬舎新社)/「ゆるやかな糖質制限ダイエット」山田悟著書(世界文化社)/「糖質量ハンドブック」日本文芸社

 

 

 

藤沢セリカ
ハワイ・アイランド料理研究家。アンチエイジングアドバイザー。ハーブコーディネイター。 料理研究家の母から料理を学ぶ。ハワイ滞在と子育てをきっかけに料理研究家へ。その後さまざまな国へ渡り、現地のレストランなどで修業し、多国籍料理への造詣を深める。多国籍料理ベースのオリジナリティある家庭料理をTV、雑誌、書籍などで発表し、好評を得る。著書に「おうちでハワイアンごはん60」(宝島社)、「Theハワイアンパンケーキレシピ」(河出書房新社)、共同監修書に「ハーブとスパイスの図鑑」、料理担当書に「ワインの図鑑」(マイナビ)などがある。 「ケトジェニックダイエットレシピ」(河出書房新社) 「ボケを遠ざけるココナッツオイルレシピ」(河出書房新社) 「ココナッツ君の出番です!」(スターダスト出版)
オフィシャルホームページ「アロハデリ」 http://www.aloha-deli.com