がんはどうしてなるの?
日本人の死因第一位として、かかった人を知らない人のいない病気がん。最近では芸能人が闘病生活を赤裸々に書いたり、テレビで語られるようになり、昔より身近なものになりました。画期的な治療方法や薬ができ、医療は進歩して、今ではがんは治る病気になってきました。でもがんは細胞の変化、元は誰でも持っていて、生活習慣やストレスからも発症すると言われています。私たちの体は約60兆個もの細胞で成り立ち、その細胞は遺伝子によってコントロールされ分裂と増殖を繰り返して生きています。その遺伝子が何かの原因によって突然変異をおこしてがん遺伝子になり、がん細胞を作ります。私たちの体には細胞のがん化を防ぐ遺伝子もあるのですが、なんらかの理由で制御する力が弱まり、がん細胞が増殖する、そこでがんを発病するのです。
がんで亡くなった身内を持つ、いわゆる「がん家系」などは本当に身近な脅威ですよね。
がんを予防し、どこかに眠っているかもしれないがんの芽を縮小、消滅させたい、と思いませんか? まずはすぐに出来ること、食生活から見直していきましょう。
大腸がんは生活習慣病
日本人に大腸がんが増えているって知っていましたか?
一昔前は日本人のかかりやすいのは胃がんでしたが、ここ数年、大腸がんが急増しています。これは食の欧米化にある、とも言われています。乳製品や肉、動物性脂肪などが日本人の体質を変え、そのうえもともと大好きだった糖質(お米などの炭水化物)を多く摂って運動不足、と原因は満載。さあ、どうしましょう!?
ガンは糖質がお好き
細胞ががん化する要因に、紫外線や食品添加物、たばこなど、活性酸素の影響で遺伝子が突然変異するのですが、がん細胞を活発にするもの、がんの大好物はブドウ糖と言われています。がん細胞が増殖をするためには莫大なエネルギーが必要、それがブドウ糖なのです。ブドウ糖と言えば甘いものですが、実は甘くなくてもブドウ糖が多く含まれる食品があります。このブドウ糖を減らし、ケトン食に切り替える、いわばケトジェニックな食生活が予防改善の第一歩になると言われています。ケトン体はブドウ糖の代わりになり、しかもケトン体をエネルギーに出来るのは正常な細胞だけ、なのです。
あれ? 聞き覚えありませんか? ケトジェニック…。昨年11月にこちらでご紹介した、「ケトジェニックダイエット」。そちらでケトン体の詳しい話を書いておりますので、バックナンバーがある人は再度読み返してくださいね。
ガンに効くケトン食とは?
ここ数年、ダイエットを目的とした糖質制限が流行りました。ケトン食もいわゆる糖質を制限するものですが、その違いは脂質とたんぱく質。まず糖質はどうなるのか、ケトン食とは何なのかを分かりやすく説明しますね。
私たち、特に日本人には主食という考え方があります。これは主にごはんですね。パンや麺なども同じ仲間、炭水化物です。この炭水化物がくせ者、甘くなくても糖質なのです。糖質は体内で素早くブドウ糖に変化し、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)を上昇させます。すると膵臓からインスリンが分泌されブドウ糖をエネルギーに変え、筋肉や脳に届けますが、余ったブドウ糖は体脂肪になり病気の原因になりうる、という感じです。
つまり食事から糖質を除き、血糖値を上昇させないように、エネルギー源をブドウ糖からケトン体へ切り替えること、ケトン食に変えることが、がんを遠ざける一歩になると言えます。では具体的にケトン食とはどんなものでしょうか?
糖質制限はごはん、パン、麺類、芋類などの糖質を多く含む食品を徹底的に減らし、他は制限なし、というもの。ケトン食は糖質を多く含む食品を減らすところまでは同じですが、食物繊維と中鎖脂肪酸(ココナッツオイル)をしっかり摂り、タンパク質を毎日決めた量食べる。脂質も選び、オメガ3(アマニ油、魚油、エゴマ油)、オレイン酸を含むオリーブオイルを摂る、というもの。
糖質に関しては1日10~20gのみ摂取可能、もちろんスイーツはNGです。少々厳しいようですが、この方法でがん細胞が縮小、消滅する可能性があるそうです。予防としてもう少しソフトじゃないと続けられないという場合は、1日の糖質80gから始めましょう。ごはん一善150gとすると、そこに含まれる糖質は50g。他を我慢すればごはん一善は食べられますね! あとは適度な運動を心がけましょう!
ケトン食でNGなもの、食べたいもの
先ほどからの繰り返しになりますが、がん予防にならないもの、なるものを簡単にまとめました。
<NG>
●甘いもの(お菓子、ジュースなど明らかに砂糖を含むもの)
●精製された糖質(白米、パン、パスタなど)
●食品添加物(加工食品、保存料、人工甘味料など)
●動物性脂肪(ラード、牛脂など)
●野菜(芋類、根菜類、果菜類)
<置き換えて食べる量を少なくできるならOK>
●白米 → 玄米
●パスタ → 全粒粉パスタ
●小麦粉 → 小麦ふすま
●うどん → そば
<積極的に食べたい もの>
●タンパク質(大豆製品、鶏肉、魚介類、卵)
●脂質(ココナッツオイル、アマニ油、エゴマ油、魚油、オリーブオイルなど)
●ナッツ類(くるみ、ピスタチオ)
●野菜(葉物、白菜、大根、ゴーヤ)
●きのこ&海藻類(まいたけ、マッシュルーム、しいたけ、ひじき、モズク)
●果物(アボカド、レモン、ライム、いちご、夏みかんなど)
がんを遠ざける美味しい食べ方
NGなものOKなもの、なんとなく分かってきましたよね?
では、それらをどうやって美味しくいただくか。実は食材と同じくらい大切なもの、うっかり見逃してしまいそうですが糖質の多いもの、それは調味料です。甘く感じるものは糖質が多いので避けましょう。たとえば白みそ、コチジャン、ソース、ケチャップ、バルサミコ酢などです。食材の自然の味を引き出す塩や醤油、酢、コショウなどを上手に使い調理しましょう。調理方法は焼くより蒸すことをおすすめします。
参考文献:「福田式 がんを遠ざけるケトン食レシピ」(河出書房新社)
がん予防料理
きのこ類にはがん予防に最適なβ-グルカンが豊富、だから毎日食べたい。 糖質が少なく食物繊維がたっぷり! 作り置きにピッタリな一品です。
〜 きのこのマリネ 〜
<材料 2人分>
・エリンギ 1パック
・シメジ 1パック
・しいたけ 4枚
・まいたけ 1パック
・にんにく(みじん切り) 2かけ
・赤唐辛子 1本
・塩 小さじ3分の1
・オリーブオイル 大さじ2
・黒コショウ 少々
・レモン汁 大さじ1〜2
・パセリのみじん切り 大さじ1
<作り方>
①きのこ類は石づきを取りサッと水洗いしてザルにあけて水を切る。エリンギ、シイタケは食べやすい大きさにスライスする。
②フライパンにオリーブオイルを入れ赤唐辛子、にんにくを炒める。香りが出てきたらそこへきのこを入れて強火にしてさっと炒め、塩コショウをして混ぜ炒める。
③冷めたらレモン汁をかけ、パセリを混ぜる。
藤沢セリカ ハワイ・アイランド料理研究家。アンチエイジングアドバイザー。ハーブコーディネイター。 料理研究家の母から料理を学ぶ。ハワイ滞在と子育てをきっかけに料理研究家へ。その後さまざまな国へ渡り、現地のレストランなどで修業し、多国籍料理への造詣を深める。多国籍料理ベースのオリジナリティある家庭料理をTV、雑誌、書籍などで発表し、好評を得る。著書に「おうちでハワイアンごはん60」(宝島社)、「Theハワイアンパンケーキレシピ」(河出書房新社)、共同監修書に「ハーブとスパイスの図鑑」、料理担当書に「ワインの図鑑」(マイナビ)などがある。 「ケトジェニックダイエットレシピ」(河出書房新社) 「ボケを遠ざけるココナッツオイルレシピ」(河出書房新社) 「ココナッツ君の出番です!」(スターダスト出版) オフィシャルホームページ「アロハデリ」 http://www.aloha-deli.com |