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Vol. 6 28年ぶりの夏の甲子園…、 そしてアルプス席狂騒曲

Bynikkansan

8月 24, 2019

— いざ甲子園球場へ 夏真っ盛り! 

日本の夏と言えば、欠かせないのが「高校野球」です。この時期は職場や喫茶店、温泉ランドのテレビなどいたるところで高校野球の生中継が流れますが、今年は我が母校の国学院久我山が28年ぶり甲子園に出場し、私も会社を休んで応援に駆け付けました。 思えば28年前の甲子園出場が、私が在学中の高校2年生のとき(年がバレますね…)。現在プロ野球のロッテ監督の井口がメンバーにおり、青春時代の忘れられない思い出となっています。  

 

 

— 令和になっても大人気

高校生だった私は夜行バスで東京・杉並から、兵庫・西宮の甲子園球場まで応援に行きました。あれから長い歳月が流れ令和の時代となった今、甲子園の人気は当時以上に加熱気味。入場チケットを求め、連日徹夜組が出るほどの状況なのです。前日夜から並んでも朝6時半の開門と当時に売り切れる日も多いとか。テレビで見ている分には分からないのですが、週末やお盆の時期、人気選手の出場する日は全47000席が試合前から完売し「満員通知」が出る恐るべきフィーバーぶりなのです。

 

 

— スタンドからの景色

 

台風が来る直前で、快晴だった甲子園球場。日本で一番美しい球場では?

 

2回戦に進んだ8月13日の久我山の試合は午後3時半開始予定の第4試合。私はOB向けの甲子園ツアーに参加し、試合3時間前に現地に到着しました。球場の周辺は全国各地からそれぞれの応援Tシャツを着た人が、興奮気味に集まり、独特の熱気です。名物の煉瓦の壁にツタが絡まり、「聖地・甲子園」と呼ぶのにふさわしい堂々たる風格が漂っていました。 

 

高校野球のスタンドは独特で、学校関係の応援団は一塁側、三塁側ともそれぞれ約3500席ある「アルプス席」と呼ばれる一画に陣取ります。私も前試合の残り2イニングから外の入場口で待機し、勝利校の校歌斉唱が終了後、一斉に中に入りました。 スタンドから眺めた青く大きく広がる空に、散らばる選手たちの白いユニホーム。そしてよく手入れされた緑の芝。そのどれもが圧倒的に美しい光景でした。応援歌の歌詞は覚えていなくても、ブラスバンドの演奏に合わせて手拍子を打ち、スタンドは一体感に溢れます。

 

母校は福井代表の敦賀気比に惜しくも敗れましたが、2時間半の熱戦をしっかり目に焼き付けました。 これほど多くの日本人が熱狂する高校野球。最近でも清宮幸太郎、大谷翔平らプロ野球で活躍するたくさんの選手が甲子園の土を踏んでいます。そして新たなスター選手が歴史を作るたび、高校野球の人気が高まっているようです。

 

前々回にご紹介した、小学生のリトルリーグの世界一決定戦は、今年も2年連続でハワイのチームが西海岸地区代表となり、今年はマウイ島のチームが世界大会に出場しています。皆の心が一つになるスポーツの力。それを再認識した令和最初の夏でした。

 

 


竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。


 

 

 

(日刊サン 2019.08.24