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Vol. 2 トランプ大統領来日、舞台裏

Bynikkansan

6月 22, 2019

— 感じたトランプ余波

ハワイでも詳しく報道されたのでしょうか?5月末に米国のトランプ大統領が、メラニア夫人とともに国賓として超VIP待遇で来日。3泊4日と比較的ゆったりした滞在だったこともあり、東京の街もさまざまな「お・も・て・な・し余波」を受けました。

 

私がある“噂”を最初に耳にしたのは、まだ大統領の来日が発表になる前の3月末のこと。私の会社では、接待用に両国国技館の升席(4席)を年間通して持っており、通常は大相撲初日の1カ月半前に、場所中の15日分が取次のお茶屋さんを通して送られてきます。 ただ、なぜか5月場所の最終日5月26日のチケットだけは、「超VIPが来るのでまだ渡せない」とのこと。

 

最初は天皇陛下のご観戦かと思いましたが、同僚によると過去の天覧相撲の際にもチケットは通常通り届いたとのこと。みな「誰だろう?」と首を傾げていましたが、米国大統領だったことが判明!結局、その後当日の観戦予定者の身分証のコピーなどが求められ、入場券が会社に届いたのは、わずか3日前!のこと。5月場所の千秋楽に、トランプ大統領が土俵に上がり、優勝した朝乃山に「大統領杯」を贈る姿は新聞の1面、テレビのトップニュースとして、日本では大々的に報じられたのは周知の通りですが、一般市民にも余波がありました。

 

 

—大手町も厳戒態勢

そして今回の大統領の滞在は、海外要人の定番の“東京老舗御三家ホテル”(帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニ)ではなく、意外にも皇居の目の前に立つ比較的こじんまりした「パレスホテル東京」でした。

 

▲皇居の前に立つパレスホテル東京。数年前にリニューアルされ、「ミシュランガイド」では、4つ星+

 

お堀に面した内堀通りと東京駅から続く永代通りの角に立ち、交通量も多い一角。東京メトロの大手町駅とも直結しており、来日1週間前から大手町の街の一画ごとに、鋭い目つきの警察官が立つように。警視庁は今回の来日に2万5000人の警察官を投入したそうで、セキュリティの厳しさも並々ならぬものがありました。

 

 

— 新時代の始まりにワクワク

安倍首相とのゴルフ外交や大相撲観戦、六本木の炉端焼き店訪問とさまざま行事があった大統領の来日ですが、私たち国民が一番感銘を受けたのは、新天皇陛下と皇后陛下が大統領夫妻とご対面した際、特に雅子様が通訳なしに流暢な英語を披露されたことだと思います。その自信に満ちたお姿に、ネット上でも「新しい時代が始まった実感が初めてわいた」「自然と涙があふれました」と賞賛の言葉が飛び交いました。

 

かくいう私も、バイリンガルを目指して(ハワイのお子さんの大部分がそうであると思いますが)子育てしているだけに、素敵なお姿に胸がいっぱいになりました。雅子様はその後も、クロアチアの国会議長夫妻を通訳なしで歓迎されるなど、華麗な活躍が話題になっています。 令和が始まり1カ月半。日本の変化を感じるワクワクとした期待は、まだまだ続いています。

 

▲パレスホテル東京の向かい側は、観光客に人気の「皇居東御苑」の入り口

 

 

 


竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。


 

 

 

(日刊サン 2019.06.22