専門性の高い分野は大学院でしか学べない
アメリカでは大学院のことをGraduate Schoolと総称する。これに対して大学はUndergraduate。大学院をGR、大学をUGと略記することもある。
GRは大きく二つに分類される。
科学、歴史学、言語学など学術系の分野を教える、Liberal Arts 。医学、カウンセラー教育学、法学、経営学、建築学など特定分野の実学を教えるProfessional School。
その他、医師や弁護士になるために大学を卒業してから入るMedical SchoolやLaw Schoolという専門機関がある。院生は、学術や研究に携わるのが好きな人たち、MBA取得やITの先端工学などビジネスでのキャリアアップめざす人、医師、弁護士、司書、建築士などの資格取得をめざす人などさまざまだ。
「日本では大学から医学部や法学部がありますが、アメリカでは本格的なことは大学院からでしか学ぶことはできません」
UGではLiberal Artsを幅広く学び、GRでは専門分野を狭く、深く学ぶ。例えばUGで心理学全般について学ぶのに対し、GRでは社会心理学、教育心理学、臨床心理学など細分化し、深く掘り下げて学ぶ。
「プロフェッショナルなスキルを身につけられるのが大学院です。アメリカの専門教育は大学院から、と言っても過言ではないんです」
鵜飼高生(ウガイタカオ)
大阪生まれ、東京育ち。小学生の時、アメリカのオハイオ州で過ごす。明治大学理工学部卒業後、再度渡米。ハワイ大学マノア校にて博士号取得。現在は、「フォーカス教育研究所」の代表取締役。”家庭教師”と”塾”両方の利点を融合させた”家庭塾”メソッドを用い、ハワイ在住の多くの子供たちや家族のサポートに専心している傍ら、建築士としても活躍している。
(取材・文 奥山夏実)
(日刊サン 2019.08.16)