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Study in Hawaii|ハワイで学ぶ vol.4ハワイの大多数の子ども達が通う、公立小学校について

Bynikkansan

5月 3, 2019

Study in Hawaii|ハワイで学ぶ

Vol.4 ハワイの大多数の子ども達が通う、公立小学校について

 

お子さんがハワイの学校に通っている、自身がロミロミのなどの資格取得をめざしている…小中学校から大学、専門学校と、ハワイの教育機関は実に多彩。 日刊サンではバイリンガル教育をはじめとする、“学び”の特集をしています。

 

 お話しをしてくれたのは、ホノルルで“フォーカス教育研究所”を主宰する鵜飼高生(ウガイ タカオ)さん。家庭教師と塾の良いところを併せ持つ家庭塾を開校しています。ウガイ先生(博士でもあります!)、よろしくお願いします。

 

「今回はハワイのElementary Schools 公立小学校についてお話しします。ハワイ州を含むアメリカの義務教育は13年間。小学校はキンダーガーテンの1年を含む6年、中学が3年、高校が4年のシステムを採用しています(カネオヘなど一部地域では小学6年、中学2年、高校4年のところもある)。公立校はキンダーからハイスクールまで給食代を除き、授業料はすべて無料です」

 

キンダーガーテンとは早期教育の取り組みの一環で、5歳になる子どもは小学校に併設されているキンダーガーテンに入学することが義務付けられている。

 

「義務教育だから、5歳になったら絶対にキンダーに入れなきゃいけないかというとそうでもない。たとえば早生まれの子は同じ歳でくくられても、どうしても体力や学力が未発達ですよね。そういう時は親が様子を見て、1年遅らせて来年から入学させよう、なんて判断はアメリカではザラにあります」

 

できる子は飛び級するし、できない子はもう一度同じ学年をやり直したりもする。1年遅らせる入学や、1年留年に対する偏見もない。

 

ホノルルには、全米レベルで表彰された公立小もあります

「ハワイでは8割近くの子どもが公立校に通っています。私が主宰している家庭塾にも、日本人家族でお子さんを公立小学校に通わせているところが何組かおられます。私立校だと年間1万ドルはかかりますからね」

 

公立校の場合、ハワイにも日本と同じような学区制度があり、学区のことをホノルルコンプレックスとかカイザーコンプレックスなどと呼び分けている。同じ学区でも、道路や番地で学区が異なることがあるので、公立校への入学を控えた子どもがいる家庭は、自宅の住所がどの学区に属するのか確認しておきたい。確認はハワイ州教育局のウエブサイトで。(www.hawaiipublicschools.org)

 

「通わせたい学校への越境入学や転校もできないことはありませんが、評判の良い学校は抽選になることも多く、規模の小さいところは受け入れ枠がない場合もあります。なので、この学校に通わせたいと明快な意思があるなら、学区内にご自宅を引っ越すことも考えたほうが良いと思います」

 

どのようにして、学校選びをするべきか? オアフ島の公立校のランキングが毎年発表されるウエブサイト(www.niche.com)などもあるが。

 

「ハワイの場合、各学区に住む住民から支払われる税金や、寄付金の額に大きな格差があります。教育に使える資金力で施設の充実度、学習内容や教師の質などに影響が出ているのが現状です。グラウンドがなければスポーツの部活ができない、音楽教師を雇えなければ音楽の授業が割愛されるのです。なのでまず、学校の施設や教師の数、カリキュラムは多彩か、部活はどんなものがあるのか、実際に行って自分の目で確かめたほうがいいと思います」

 

小学校といえど、マリファナやドラッグからの影響を避けることはできないので、周りの環境も考慮したい。 「ご家庭でもしっかりと薬物に関する教育をすることは大切です」

 

公立校なら同じ地域の子どもがので、学区内で仲良く遊べる友達ができやすいし、親も現地の人の生活に溶け込めやすく、ハワイならではの生活を体験する機会も多い、と鵜飼さん。

 

「私の家庭塾に通っているお子さんは、ルーズベルトコンプレックスにある、ヌウアヌエレメンタリースクールに通っているんですが、カリキュラムの中にフラやハワイアンソングなど、ハワイの伝統文化を体験する授業などもあり、ハワイでしかできない学生生活を謳歌しているようです」

 

ヌウアヌ小学校は、合衆国教育省が全米で優れた学校に対する、ナショナルブルーリボンスクールを3度も受賞している。課外授業も多彩で、アートやクラフトはじめ、なんと小学校なのにゴルフやダンスの授業もある。 「教師も手厚く、英語が遅れていても一人一人に対応してくれたそうです」

 

上記、2018年のNicheランキングでも第2位だった。 「1位だったのはマノアコンプレックスにある、ユニバーシティラボラトリースクールでしたね。ここは、公立のチャータースクールです。Konishikiの母校でもあり、最近ではオーガニックの給食がおいしいなんて評判も聞きます」

 

チャータースクールとは、ハワイ州の認可を受けて独自の個性ある教育を行っている公立校のこと。ユニバーシティラボラトリースクールは、ハワイ大学教育学部のカリキュラム研究開発グループと提携し、幅広いリベラルアーツ教育を実践している。 「小学校選びは、親が自分主観、自分主導で子どもにどんな教育を受けさせたいか考え、よく調べて選んであげて欲しいです」

 

そして鵜飼さんはこうもアドバイスする。 「入学した学校がお子さんに合っていないと思ったら、転校もありです。日本ではいじめにあっても我慢して通っている、なんて話を聞きますが、我慢はナンセンス。いじめ以外にも校風やカリキュラムなど、我が子に合わないと感じたら、転校を視野に入れるのが賢明です」    (取材・文 奥山夏実)

 


 

 

鵜飼高生(ウガイタカオ)

大阪生まれ、東京育ち。小学生の時、アメリカのオハイオ州で過ごす。明治大学理工学部卒業後、再度渡米。ハワイ大学マノア校にて博士号取得。現在は、『フォーカス教育研究所』の代表取締役。“家庭教師”と“塾”両方の利点を融合させた“家庭塾”メソッドを用い、ハワイ在住の多くの子ども達や家族のサポートに専心している傍ら、建築士としても活躍している。

 

(日刊サン 2019.05.03)