Study in Hawaii|ハワイで学ぶ
Vol.3 日本をルーツとするハワイ生まれの子どもたちの『バイリンガル』教育
お子さんをハワイの学校に通わせている、ヨガやロミロミの資格取得をめざしている……小中学校から大学、専門学校と、ハワイの教育機関は実に多彩。 日刊サンではバイリンガル教育をはじめとする“学び”の特集をしています。
お話しをしてくれたのは、ホノルルで“フォーカス教育研究所”を主宰する鵜飼高生(ウガイ タカオ)さん。家庭教師と塾の良いところを併せ持つ家庭塾を開校しています。ウガイ先生(博士でもあります!)、よろしくお願いします。
「英語があまり得意ではなく、日本語で子育てをしているお母さんからよく相談を受けるのですが、「2歳を過ぎたのに子どもがあまり喋らない」と悩まれているんです。意味のわかる言葉を発しないから、発達障害かと心配するお母さんもおられます」
周りの子はもっと話しているのに……。
家庭内言語を統一するか、2カ国語共存か?
「2つの母国語の環境下で生まれ育つ子どもは、言葉を話し始めるのが遅い傾向にあります。お母さんから日本語で話しかけられ、お父さんからは英語で話しかけられると、どうしても混乱してしまうからです」
この時期はまだうまく使い分けられないからだ。ならばお母さんも頑張って英語で話しかけるべき?
「英語で通せるならいいのですが、英語と日本語を混ぜるのが一番良くない。小学校に上がっても、英語の文章の構成力が伸び悩んでしまったりします。僕の家庭塾の生徒さんで、中国人の母とアメリカ人の父を持つお子さんがいます。両親は日本で出会い、母国語ではない日本語でコミュニケーションしながら結婚されたカップルです」
結婚後は両方の母国語を学んでいたが、仕事の関係でハワイに住むことになった。そして子どもが生まれ、家族間でどの言語をコミュニケーションツールにするか夫婦で話し合い、とても興味深い選択をした。
「お子さんが4歳までは、父親も母親も日本語で話しかけ、夫婦間の会話も日本語に統一しました。そして5歳から7歳までは全部英語、さらに8歳から現在は、家庭内言語はすべて中国語にしているんです」
徹底したトリリンガル教育!
「これは相当な覚悟がないと実行できませんよね。両親が1言語に統一したほうがいいのか、2言語あってもいいのか、僕自身も常日頃考える課題ですが、どっちが良いのか正解はないように思います」