日刊サンWEB

過去記事サイト

Study in Hawaii|ハワイで学ぶ Vol.10 ハワイで出産、生まれたての赤ちゃんの迎え方

Bynikkansan

11月 8, 2019

 お話しをしてくれたのは、ホノルルで“フォーカス教育研究所”を主宰する鵜飼高生(ウガイタカオ)さん夫妻。妻の未央(ミオ)さんは今月いよいよ出産予定、第一子誕生です! 未央さんも“フォーカス教育研究所”で講師をしたり、経営のマネージメントなどをしていて、ご夫婦ともども教育にはとても熱心。

 

 今回伺ったのは、“ハワイで初産をする、鵜飼家の新米パパ&ママの心境と準備”についてです。取材をしたのは10月中旬。臨月突入とあって、未央さんのお腹も目立っています。  

 

 

出産カウントダウン、義母に来てもらいます

 

「手足がむくんでいます。ドクターは心配ない範囲と言っていますがさすがに動きづらい。そして暑くて仕方がないんです」

 

 ご自宅のリビングのエアコンはフル回転。

 

「親も兄弟もいないハワイで初産するので、夫の母に手伝いに来てもらうことにしています。義母はアメリカでの生活経験があり、ハワイでの車の運転も買い物も一人でしてくれるので、私の実母よりいいかなと思って」

 

 高生さんは、 「妻と僕は初めてのベイビーを迎えるにあたり、どういう子育てをするか本当によく話し合ってきました。うつ伏せ寝は絶対にさせないなど、母の時代の子育てのやり方とは違うところもあるし。余計な口出しはしないよう境界線は守ってもらいます」

 

 なんかガード、固いですね。 「大丈夫なんですよ(笑)、義母はオープンな人で話しやすいし。メイドさんを派遣する事業をしていたほどの家事プロだから安心しています。義母には大人たちの食事や、夫の身の回りの世話をしてもらう予定です。料理も上手だし、本当に助かります。それに実の母だと遠慮がないから、かえって衝突してしまうかもしれないし。出産直後はホルモンバランスが不安定なので、私イライラすることもあるかもしれない。そういう時、義母ならば甘え過ぎずに自分を保てるような気がするんです」

 

 ハワイでは、帝王切開以外の通常出産の場合、赤ちゃんが生まれて48時間後には退院となる。母体は出産直後のダメージが癒えぬまま、我が家で子育てを開始しなければならないのだ。

 

 

  カンガルーケアでスキンシップ

 

「日本だと新生児室があり、出産直後は病院側が赤ちゃんの面倒を見てくれますが、ハワイの場合、出産後病室に戻るとすぐ赤ちゃんが連れられてきて、同じ部屋に寝かされて、授乳もオムツ替えも私がしなければなりません。生まれてすぐから母子が密着するのはカンガルーケアといって、良い面もたくさんあります。赤ちゃんを抱っこしていると自然とおっぱいも張ってくるし、赤ちゃんもおっぱいに向かってくる。母親の声や匂いのするところにいた方が、赤ちゃんは落ち着きやすいそうです」

 

 でも相当タフでないと、ケアは大変。 「だから退院してしばらくは、赤ちゃんのことだけで手一杯になりそう」

 未央さん、搾乳したおっぱいを冷凍保存した場合の解凍や赤ちゃんが飲む時の温度まで、細かなメモを書いて冷蔵庫に貼っておくという。 「大人3人が情報を共有した方がいいので」  生まれてすぐはそんなにおっぱいは飲めないし、十分搾乳しないと乳腺炎になることもあるので、搾乳して冷凍保存しておく。そうすれば2〜3時間に1回、夜中も授乳のハードワークを、冷凍おっぱいでしのぎ、未央さんの睡眠時間を確保することもできるはずだという。クレバーですね。

 

 

「夫は、夜のオムツ替えやお風呂は率先してやってくれるって。へその緒が取れていないうちは、どういうオムツの当て方をするかも練習済みなんですよ。お父さんのスキンシップもとても大切で、裸同士でカンガルーケアをすると良いそうです」

 

 生まれてすぐから1歳くらいまではとにかく愛情いっぱい、大甘で育てることにしている。 「泣いたりむずがったりしたらすぐに抱っこして、安心していいよ、いつもそばにいるからねと声を掛ける。優しい声で話しかける、目を見て笑顔を見せてあげる……この世に来たことをパパもママも喜んでいることを、赤ちゃんに精一杯伝え続けたいです。愛情と安心感が、脳の豊かな発育には必要不可欠。成長していく中での健全な自尊心も、赤ちゃん時代の愛情と安心感が土台になるそうですから」

 

 空気で膨らむお風呂や、日中過ごすバウンサー、肌着やオムツも準備万端!次回の本稿では、ベイビーとの3ショットも初披露してくださいね!!

 

(取材・文 奥山夏実)          

 

 


 鵜飼高生(ウガイタカオ)

大阪生まれ、東京育ち。小学生の時、アメリカのオハイオ州で過ごす。明治大学理工学部卒業後、再度渡米。ハワイ大学マノア校にて博士号取得。現在は、「フォーカス教育研究所」の代表取締役。”家庭教師”と”塾”両方の利点を融合させた”家庭塾”メソッドを用い、ハワイ在住の多くの子供たちや家族のサポートに専心している傍ら、建築士としても活躍している。


 

 

(日刊サン 2019.11.08)