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最近一軒家の増築の依頼が多いので、今回は増築に関する主な注意点についてご紹介させて頂きたいと思います。

 

長期的な需要と目的をしっかり考えて計画  

増築する主なきっかけは家族の増員です。増えた家族のために寝室やトイレを増築しようという話になるわけですが、どのぐらいの期間で何人住むことになるのかを推測することはとても大切です。新生児であれば一般的に18~22年程度は同居すると考えますが、家はそれ以後も残ります。子供が巣立った後に増築した家をどうするのかといった長期的な視点で考えるととても有意義な計画をすることができます。

 

大きな家が必要なくなったら買い換える  

子供が巣立った後は、増築した家を売ってしまい、小さな場所を買うというのも良い選択だと思います。その場合には、少しでも売値が下がらないように出来る限り一般受けのしやすいレイアウト・デザインにすることをお勧めします。日本人にとっては良くても、ローカルにしてみれば大きなマイナス査定である要素はたくさんあるので注意が必要です。

 

住宅の一部を貸し出す  

使わなくなった家の一部を貸し出し、不労収入を得るという手段もあります。その頃には退職している可能性もありますから、生活を支える収入源としても期待できます。ただし、その場合にはADU(Additional Dwelling Unit)として建築許可を申請しておく必要があるので注意してください。増築時に申請をしておけば、居住人数が変わったときにいつでも貸し出したりすることができますし、一軒家の場合にはキッチンは一つしか配置できないという制約も、ADUでは二つ置くことができます。二世帯住宅にすることも容易なので、とてもお勧めです。  

 

具体的にどういった増築をすれば良いのかわからない場合にも、建築士に話してみれば考えもつかなかったアイディアを提案してもらえるかもしれないので、まずは相談してみましょう。

 

(日刊サン 2018.04.11)

 

 

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鵜飼 高生

Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役 Email: [email protected]

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士