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ハワイの住宅の内装は大半が塗装になっています。

日刊サンの編集の方に、日本だと色々な種類があるのになぜハワイはほとんどが塗装なのかという質問を頂いたので、この場をかりて塗装と壁紙クロスの違いについてご紹介させて頂きます。

 

壁紙を貼るよりも塗装の方が安い

 

まずイニシャルコスト(施工)は塗装の方が安いです。特に技術も必要なくマスキングをしっかりすれば素人でも少し慣れればキレイにできます。また、壁紙は何か硬いものをぶつけると破たり、塗装もまたペンキが剥がれることがあります。どちらも定期的にやり直す必要があるのですが、壁紙は一部を補修することは非常に困難で、最低でも壁一枚やり直す必要があります。同じクロスが見つかる可能性は低いので、結果として部屋全体をやり直すということになりがちです。反対にペンキは一部だけ塗りなおしたり、壁一枚だけといったことは容易に行うことができる上、ホームオーナーが自ら塗ることも可能です。格安でメンテをすることができるのでランニングコストも塗装の方が安くなりがちです。日本ではあまり家の塗装を自分でするといった習慣がないというのも、日本とハワイの大きな違いかもしれません。

 

素敵な柄にしたいのであれば壁紙

 

単色ではなく柄にするのであれば壁紙が良いでしょう。塗装ですとペンキで壁に絵を描いたり、柄を描くことになり、施工業者に任せるのは現実的ではありません。壁紙であればパターンを選べばそのとおりの柄の壁になるため、思い描いていたとおりのデザインを容易に実現化できます。ハワイでもカフェやレストランでは壁紙が採用されるケースが多いです。

 

壁紙に湿度は大敵

 

壁紙はノリで石膏ボードに貼り付けてあるため、湿度が高いと剥がれてきてしまいます。ハワイも山間部では高温多湿となり、壁紙が向いていない地域もあります。また、バスルームやキッチン等、部屋の機能上湿度が高くなるような部屋では壁紙は使用しない方が無難です。ベッドルームやリビング、廊下等でちょっとお洒落にしたいところだけ壁紙を選択するのが良いでしょう。

 

 

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鵜飼 高生

Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役 Email: [email protected]

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士

(日刊サン 2018.03.07)