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 ローカルニュースをご覧の方は、今年10月に話題となった超巨大な住宅についてご存知かもしれません。

 Houghtailing Street(リリハ地区)で29部屋の寝室、17個のバスルームを含んだ住宅が大きな問題として取り上げられました。3階建てのアパートにしか見えないのですが、建築許可申請上はtwo-family detached dwelling(2軒の戸建て住宅)となっています。二家族で住むことができる住宅ですが、一部を貸し出したり切り売りしたりすることは禁じられています。しかし近隣住民は、本来の用途ではなく違法に複数の家族に貸し出すのではないかと大いに反対活動をしていました。

 

建築基準法を満たしていれば問題はない

こちらの住宅は、家の中の二部屋を倉庫として申請しましたが、実際の工事では寝室にしてしまったことで違反がありました。しかし、それはあまり大きな問題ではなく、全体としては全くの合法的な建物となります。当然建築許可も下りていますし、きちんと正式なプロセスは踏んでいます。また、同オーナーがカリヒに同様な巨大住宅を建築しました。6階建てに見えるその住宅は20部屋の寝室、16個のバスルームを含んでいます。こちらも特に現在の法律では問題になりません。

近隣の景観・環境は損なわれる

 巨大な建築が建つとその建物がとても浮いて目立ち、閑静な住宅街のイメージが損なわれてしまいます。また、大勢の人が住みだすと交通渋滞を招くだけでなく路上駐車も困難になります。近隣のイメージダウンとなり、地価が下がるといったことにも繋がりかねません。ホノルル市もこのような事態を深刻に受け止める一方で、カイムキ地区などは今後成長していくべき地域として規制緩和を継続していく方向であるとも明言しています。

 今のところ住宅の規模に関する規制は一切ないので、今後このような住宅が数多く建築されると何らかの規制が引かれる可能性は多いにあります。ただ、一方では住宅の不足が深刻化するホノルルで街の成長を妨げるような規制は引きたくないという事情もあり、とても慎重になっているようです。

 

(日刊サン 2017. 11. 22)

 

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鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。