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先日不動産屋さんから用途変更に関する質問を頂いたので、主な注意点についてご紹介致します。
その土地を所有しているからといって自由に用途を変更できるわけではなく、様々な視点から変更できるか確認しなくてはならないため十分な注意が必要です。
ゾーニングが認めているかどうか
まずはその土地のゾーニングが何かを調べることから始まります。住宅地はかなり用途が限られてきますが、カカアコやワイキキといったMix Useのゾーニングであれば様々な業種に変更することができます。これは大きく分けて、申請なしで認めている場合、要認可の場合、認めれられない場合の3種類に分けられます。
建物のオーナー、管理組合が許可しているかどうか
オフィスやコンドミニアム等、建物の中の一部を用途変更することはもちろん可能です。例えば1階のリテールをレストランにするといったことです。建物の決まりとして認めていないのであればそれを曲げるのは難しいでしょう。月例ミーティングでプレゼンテーションをして、その場で多数決をとり認めるかどうかを決める建物が大多数です。
建築的に可能かどうか
特にレストランに変更する場合には細心の注意が必要です。換気ダクトやグリーストラップ(油水分離阻集器)を新設しなければならず、そのスペースがあるかどうかが肝になってきます。また、営業するにあたって隣接するトイレが必要な場合も多く、上水下水が近くまできていない場合にはかなり大規模な工事を要され、実質不可能になる場合があるので注意が必要です。
駐車場の数は足りているか
用途によって要求される駐車場の数は変わってきます。例えば居住目的の場合には、600sqftまでの広さに対して駐車場が1つ必要ですが、デイケアの場合には350sqftにつき1つ必要です。これは個々のテナントにいくつ駐車場がついているかではなく、建物全体の必要数に対し同敷地内にいくつ駐車場があるのかという計算になるため、同じ建物内で貸し出している駐車場を月極で契約をして使える駐車場を増やしたとしても問題解決にはなりません。
その他にも異なる用途同士を遮る壁は防火壁でなければならない等の細かな決まりがいくつもありますので、用途変更する前提で不動産を契約される際には決める前に一度建築士に相談されることをお勧めします。
(日刊サン 2017/8/23)
鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役 Email: [email protected] 明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。 |