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今回は、一般住宅の外壁の素材について簡単にご紹介致します。外壁は、住宅にとって言わば衣服のようなものです。気候や好みに合ったものを選ぶことで快適かつ満足のいく建物になります。もちろん、素材によって価格が高かったり、耐久性も変わってきます。服と大きく異なる点は、簡単に交換できない(着替えられない)ことです。素材によっては後から色を変えたりはできますが、建物の生涯そのまま同じ素材を利用し続けるのが主ですので、慎重に決断する必要があります。

 

Horizontal Lap Siding  

ハワイで最も採用されている仕上げ材です。横に細長い木やアルミ、樹脂製プラスチック、セメントを重ねていくものです。横方向に線が入っている外壁がコレです。特にこだわりがなければ、このサイディングを勧められるケースが多いと思います。一般的な家のデザインにとても適しています。価格は素材によって幅が広く、1平方フィートあたり樹脂製プラスチックで$4~$6、セメント等で$5~$8程度です。

 

Board and Batten  

上記のサイディングととても似ていますが、縦に重ねていくのではなく横に並べていく工法です。木材かセメントが主流で、地方では最も安価な工法として多用されていました。現在では、価格帯はサイディングとほぼ変わりません。縦方向に線が入っているため、建物の高さを強調したい場合などにとても適しています。

 

Stucco  

上記二つの次によく採用されている工法です。日本でいう漆喰仕上げになります。自然素材を用いた漆喰は、外壁が呼吸する(湿度が高いときには水を吸収し、低いときには発散する)ため、住環境改善にも一役買います。ただ、1平方フィートあたり$10~と高価なため、人口的な材料で施工することのほうが多いです。仕上げは細かいものや粗いもの、また引きずり模様をつけたりできます。和風もしくは地中海風の建物に採用するケースが多いです。

 

Panels  

セメント等で作成した4~8フィート四方ほどのパネルを並べる工法です。少し現代的、もしくは商業的な見た目になります。ホノルルではInsprationの建物等、商業施設で多用されており、耐久性が高いですが、1平方フィートあたり$8~と高価です。  

その他にも石や鉄板、レンガなどの工法がありますが、ハワイの住宅では採用されることはまずありません。また、どれか一つだけを選ぶ必要はなく、建物のデザインに合わせて部分的に外壁の仕上げを変えるととても独創的な家に仕上がるので、デザインをあれこれ考えるのも楽しいかもしれませんね。

 

(日刊サン 2017/6/14)

 

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

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明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。