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屋根材について

今回は、主に一軒家における屋根材の種類とその違いについてご紹介致します。屋根は雨漏りしなければ何でも良いと考える人が大半かとは思いますが、かなり大きな面積を占めるので外観にも大きく影響を与えます。また、材質やデザインにより、メンテナンスの頻度や方法、そして耐久性までもがかなり異なるため、慎重に選択することがとても大切です。

 

Asphalt Shingles

アスファルトでできた板を重ねたもので、近年最も多く見る機会がある屋根の種類です。丈夫で施工がしやすいうえ比較的安価で、様々な柄及び色からも選ぶことができるので、とても人気があります。耐久年数は大体20年程度とされており、その短さが短所だといえます。特に、屋根の上を人が歩くような場合は、更に短くなるでしょう。また、濃い色のものは年数が経つにつれて色落ちするので、全体の均一感が損なわれ、まだらな模様になることがあります。

 

Slate & Tile Shingles

粘板岩を用いた屋根材になります。高級感があり、耐火性能も良く、腐敗もせず、メンテナンスもほぼ不要のため100年はもちます。デザインも様々な色やスタイルから選ぶことが可能です。短所は、重量があることと、施工が難しいという点です。また、それに伴う費用も考慮しなければなりません。根材自体に重量があるため、屋根を支える屋根組みや梁、柱が大きくなります。また、材料費もAsphaltに比べて高い上に、施工が難しいため、かなりコストが嵩みます。丈夫で硬い素材なのですが、その反面、ダイアモンドのように割れやすいという特徴もあります。なので、屋根の上に乗ると割れてしまう可能性が高いので、雨樋の掃除等には工夫が必要となります。

 

Metal

金属屋根は近年どんどん人気が出てきています。メンテナンスもほぼする必要がなく、屋根材も軽いため構造的補強も必要ありません。ただ、施工が難しいため金属屋根に精通した工務店に依頼する必要があります。また、材質の特徴上、熱を持ちやすいのでソーラーパネルを設置する際には屋根から浮かす等の工夫が必要になります。時間が経つにつれ、金属屋根は輝きを失っていきますが、塗装を施して新品同様に戻すことも可能です。

 

Flat Roof

平屋根を採用することで、建物全体をとても近代的なデザインにすることができます。モダニズム建築が流行したときに、平屋根が一気に増えたのもそのためです。すっきりした外観で、屋上も自由に使うことができるのでとても良いのですが、メンテナンスが大変です。葉っぱやゴミが排水溝につまらないように定期的に掃除する必要があります。また太陽光が徐々に屋根材を劣化させるので、メンテナンスを怠ると、最も雨漏れがしやすいのです。また、15年おきに仕上げ材を交換する必要もあるため、長い目で見るとコストも嵩んでしまいます。

 

以上のように、一概には最も良い屋根材がどれかと決めることは難しく、個人的な必要に応じて考慮しなければなりません。見た目、コスト、機能性、メンテナンス性をそれぞれきちんと理解した上で最適な選択をしましょう。簡潔にまとめましたが、詳しいことは建築士にご相談下さい。

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

Email: [email protected]

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。