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建築工事をする際、事前に建築許可を得る必要があります。今回はどのような時に建築許可が必要なのか、必要な費用、かかる時間についてご紹介していきます。

 

建築許可が必要な工事とは  

カーペットをフローリングにしたり、外壁や屋根の修繕をする時、建物の補修や仕上げのやり直しだけであれば建築許可は必要ありません。建築許可が必要になってくるのは、上記以外のケースはほぼすべてといえるでしょう。壁を新たに追加したり、解体する場合や外にデッキを建設する場合、また外構にフェンスを建てるだけでもほとんどのケースで許可を申請しなければいけません。それは建物の種類は問わず、あらゆる建築物に該当されます。一戸建ての住宅はもちろん、レストラン等の商業施設、アパートやコンドミニアムの一室の改築 であっても許可なく工事をすることは違法行為となるので注意が必要です。

 

申請方法・費用  

建築許可を申請するには、建築士もしくは構造設計士が描いた施行図面(Construction Drawings)が必要となります。

よって、何らかの工事をしたい場合には、

1.建築士を探す 

2.デザインをしてもらい、図面を揃える 

3.建築許可の申請 

4.申請している間に工務店を探して見積もりを出してもらう 

5.建築許可がおりれば工事着工 

といった流れが最も一般的になりますが、上記以外の方法もありますので、興味のある方はお問い合わせ下さい。また、建築許可の申請料は工費によって変動し、プロジェクトの規模に比例します。例えば、$100,000の工費ですと、申請料が$1,560で審査料$312となります。

 

申請にかかる時間  

建築許可にはものすごく時間がかかります。2016年6月現在で改築の申請をする場合に4~6カ月、新築であれば9カ月以上かかっています。よって、早め早めに計画を始めることがとても大切になります。ただ、どうしても早く工事をしたい場合があると思います。リース契約で許可を待っている間にも多額の家賃が発生してしまう場合や、住宅であれば建つまでどこかで賃貸物件を借り続けなければならない等、様々な事情があります。そういった場合には、ホノルル市に直接申請するのではなく、市に認められた第三者機関に依頼し、早く許可を得ることも可能です。$4,000以上もの余計な支出が増えてしまいますが、大体1~2カ月程度で許可を得ることができるようになるので、期間が短くなった分どれほど節約できるのか天秤にかけてみると良いでしょう。

 

 

 

鵜飼 高生 Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役

Email: [email protected]

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。