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アロハ! 田中徹也です。私は神戸で不動産会社を営みながら、年の2.3回ハワイが好きで訪れています。

 

ハワイの不動産エージェントから、最近「ハワイにお住いの方で、日本でお持ちの不動産の処分に困っている方が増えてきた」と聞きました。このコラムではそんな「日本にお持ちの不動産をどうしようかと考えたときに役立つノウハウ」をお届けします。  

 

第一回は「日本の不動産市場のトレンド」についてお話しします。最初にこのテーマを選んだ理由は、まず日本の不動産がこれからどういうトレンドを描くのかを知ってください。それを知れば、日本にお持ちの不動産をどうしようかと考える指針になります。  

 

日本の不動産トレンドは1つのポイントに絞られます。それは「需要と供給の影響が強く出る」ということです。  

 

日本の不動産は現在800万戸といわれる空き家があります。これは需要と供給の問題につながります、要は「需要よりも供給が大きく上回る状況」です。

 

よって「需要があるところが売れ、ないところはタダでも売れない」のです。日本の不動産がタダ!? なんて嘘だと思うかもしれませんが、先日もこんな話がありました。  

 

別荘地を相続で手に入れたAさん「目の前に富士山が見える、いくらで売れる?何千万にはなるでしょ!」と鼻息荒くされていました。

 

しかし、実際に物件の詳細を聞いて調査をおこなうと、「今現在その物件の近くで200㎡で90万円の土地があるけど売れていない。」「ほんとうはタダも売れないけど、0円じゃダメなので90万円って付けました」なんてことが分かったのです。  

 

いくら別荘地でも需要がなければ、値段が付かないのです。Aさんの土地も同じような面積…..本当の話を伝えるのは心苦しかったです。住宅地でも場所が不便なところにあるものは、やはり値段が厳しくて悪く言えば二束三文の金額でしか売れないのです。  

 

私の住む神戸という市内でも、その格差は広がってきました。逆に、都心の物件や地方都市でも中心地の物件は上昇傾向にあります。要は、最初に話した「需要があるところが売れ、ないところはタダでも売れない」が色濃く出てきたのです。  

 

こうしたトレンドをみれば、もしあなた日本の不動産をお持ちであれば考えてほしいのです。「私の持っている不動産は今後需要はどうなるのか?」  

 

その判断によっては、少し値を下げてでも早々に売却することが最善の手段の場合もあるのです。

 


田中徹也

株式会社ユービーエル 代表取締役

20年以上地元神戸で不動産仲介業務をおこなう。 全国を対象とした不動産売却のコンサルティングも行う。 ハワイ好きで、毎年ホノルルマラソンにも参加。

【メール】 [email protected]

【WEB】 https://www.e-ubl.co.jp/hj/


 

 

(日刊サン 2019.07.23)