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NFLのペイトリオッツ、2連覇へ向け一歩前進

Bynikkansan

12月 23, 2017

ハインツ・フィールドでのペイトリオッツ戦はプレーオフ並みの熱気

 

 

レギュラーシーズンも残り2試合となったNFLでは、プレーオフ出場とシード順をかけた熾烈な戦いが繰り広げられています。特に先週は地区首位を争う同地区ライバル同士や第1シードを争う2チームの直接対決が組まれており、テレビに釘付けになったファンも多いはずです。まず16日にはともに7勝6敗でAFC西地区の首位を争うカンザスシティ・チーフスとロサンゼルス・チャージャースが対戦。

 

そして17日には地区首位のロサンゼルス・ラムズを1ゲーム差で追うシアトル・シーホークスが対戦。しかし、前者は30-13、後者は42-7と予想外の一方的な試合となり、大熱戦を望んでいたファンの期待を裏切ってしまいました。一方、ピッツバーグ・スティーラーズとニューイングランド・ペイトリオッツの対戦は、前評判通りの大接戦となりました。

 

 

敵地のブーイングにも余裕のブレイディ

ペイトリオッツはピッツバーグで最も忌み嫌われたチームといっても過言ではありません。そのペイトリオッツのクォーターバック(QB)のトム・ブレイディは恐らくピッツバーグで最も嫌われている選手。試合前のウォームアップでブレイディがハインツ・フィールドに登場すると、案の定ブーイングの嵐に晒されました。

 

しかし、百戦錬磨のブレイディは至って涼しい顔。無視するどころか、わざとブーイングするファンに向かって拍手をしてみせたり、もっとブーイングしたらどうだ?と言わんばかりに両腕を振り上げたり、スティーラーズの選手がウォームアップしている側のエンドゾーンへ走り込んで敵地のファンを煽っていました。 ブレイディが敵地のフィールドへ登場する光景を見たのは今回が初めてです。

 

トップクラスのスポーツ選手はに負けん気が強い選手が多いのは知っていましたが、試合前から敵地のファンに対してここまで闘志むき出しにするブレイディの姿には正直驚きました。スポーツマンシップに欠けるようにも見えますが、敵地ファンのブーイングも試合前に自身を奮発させる格好の道具なのでしょう。40歳になっても現役トップに君臨するにはこれぐらいのふてぶてしさも必要なのかもしれません。

 

ブーイングする敵地ファンに拍手を送る余裕も見せる

 

一転二転した最後はペイトリオッツが勝利

昨季のAFCカンファレンス優勝戦で対決し、今季もAFCの第1シードを争っているペイトリオッツとスティーラーズの試合は、開始前からプレーオフのような熱気が漂っていました。試合はスティーラーズが先制点こそ許したものの、第2クォーター開始直後に3点のリードを奪うと終始リードを維持。

 

第3クォーターにはハインツ・フィールドで初めてディフェンスがブレイディからインターセプトを奪い、前々週の試合で負った怪我のため、脊椎の手術を受けたライアン・シェイジアが入院先の病院からスタジアムへ駆けつけ、応援する姿がビデオボードに映し出されると、ハインツ・フィールドには大歓声が鳴り響きました。

 

しかし、相手は対スティーラーズ戦で10勝2敗の圧倒的な強さを誇るブレイディ。5点差を追う中、試合残り1分余りでこの試合2つ目のインターセプトを危うく免れると、その直後にロブ・グロンカウスキへ17ヤードのパスを成功。ゴール前8ヤードまで前進すると、試合残り56秒にしてタッチダウンと2ポイントコンバージョンを決め27-24へと逆転。

 

ディフェンスがこの後1分間タッチダウンを献上しなければ、ペイトリオッツの逆転勝利が目前となりました。 56秒の時間とタイムアウトを1つ残していたスティーラーズは自陣21ヤードから攻撃を開始。まず最初のプレーでジュジュ・スミスシュースターへの69ヤードのパスを決め、一挙にゴール前10ヤードまで前進します。

 

ここで最後のタイムアウトを取り、次のプレーの作戦を練った後、今度はジェシー・ジェームスへボールをパス。ボールを受けたジェームスがエンドゾーンへ倒れ込み、試合残りわずか28秒で今度はスティーラーズが逆転のタッチダウンに成功。ハインツ・フィールドは歓喜の渦に包まれ、「ペイトリオッツはスティーラーズに反撃の時間を残し過ぎた!」と叫ぶファンの声も聞こえました。

 

しかし、審判のレビューの結果、ジェームスのタッチダウンは取り消しに。ボールを最後まできっちり確保していなかった点が確認され、パス成功とはみなされませんでした。この後、再びパスプレーで3ヤード前進したスティーラーズは、残り9秒となったゴール前7ヤードからの3rdダウンでイーライ・ロジャースへパスを投げます。

 

しかし、ロジャースが取り損ねたボールがペイトリオッツのデュロン・ハーモンの手中にすっぽり収まり、勝負あり。またしてもスティーラーズはペイトリオッツを破ることはできませんでした。

 

スティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーは最後のプレーで勝利のタッチダウンを狙ったのが、かえって裏目に出ました。3rdダウンではボールをスパイクして時計を止め、最後の4thダウンでフィールドゴールを蹴らせて同点とし、延長戦へ持ち込むこともできたはずでした。最後のプレーでフィールドに出ていたレシーバーのうち、2人はパスルートを走りにも出ておらず、コミュニケーションミスだった可能性も指摘されていますが、後の祭りです。