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NYから地元、香川県に一時帰省してはや1ヶ月が経とうとしている。アーティストの夫、アダムが香川県のスタジオで創作活動をするタイミングで一緒に日本へ戻って来た。真夏の日本を満喫中、思いがけない再会は、突然やって来た。  

 

高校時代、私はアメリカのオレゴン州に1年間留学していた。日本の高校を休学して渡米したため、帰国後は留年扱いとなり、1つ下の学年に編入することになった。  

たかが1学年違うだけ。しかし、オレゴン州での1年間を過ごした後、帰国後に待ち受けていた地元高松での高校生活は当時17歳だった私にとって、厳しい現実だった。勉強の進み具合から、人間関係、自己主張のしかたなどなど、上げ出すと切りがない程に違いがありすぎて、日本人でありながら日本の生活についていくのに必死だった。  

そんな中、私に声をかけてくれた女子4人組。外国が好きだったり英語に興味があったりする女子4人が、私が居なかった1年間に日本で流行したことや学校での色々なことを教えてくれた。お陰で、残りの日本での高校生活を楽しく送ることができた。  

その仲良し友人グループのひとり、Mちゃんとは学校が終わっても一緒にバイトをしたり、濃い時間をともに過ごした。高校卒業してからは、それぞれの道へと進み、携帯や、SNSが今程普及していなかった時代、疎遠になってしまったけれど、それでも、Mちゃんのことは、「今頃、どこにいるのかな〜? でも、Mちゃんのことだから、元気に明るくいきているだろうなぁ」と、よく、頭をよぎっていた。  

 

前置きが長くなったが、そのMちゃんと、共通の友人を介して実に24年振りの再会を果たした。  

面白いのは、再会したことだけではない。なんと、Mちゃん現在、NY在住だったのだ。しかも、17年以上前からNYで生活をしていたのだ。私が、はじめて自分探しでNYに行った時にも、偶然ながら彼女はNYにいた計算になる。そして、私も現在はNY在住。自分たちが知らないだけで、もしかすると、今までにマンハッタンの人混みの中、すれ違ったこともあったのかもしれない。  

里帰り中のMちゃんと思いがけない再会をNYではなく、高松で果たすことができた。その日、24年間分のお互いが今までに歩んで来たそれぞれの道を、時間を忘れて思いっきり語り合った。  

この先、まだまだどんなことがあるかわからない、人生の「未知なる道」を私たちは今、進んでいる。未知なるその道は、笑ったり泣いたりしながらも、自分自ら選んだみち。愉しくも力強く進んで行ける、自分だけのオリジナルな道でありたい。  

今度はMちゃんと、NYの街で再会できる日を、今からとても楽しみにしている。

 

 

(日刊サン  2017/8/9)

 

大森 千寿
香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

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