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夏真っ盛りの8月。毎年、夏になるとマンハッタンから多くのニューヨーカーたちが居なくなります。週末毎にマンハッタンを離れる人もいれば、数週間から1ヶ月を超える休暇を取り、バケーションを楽しむ人たちの姿も。  

 

私のニューヨーカーの友人たちの間で断トツ人気のバケーション先は、避暑地ハンプトン。日本でいう、軽井沢とか葉山みたいな感じでしょうか。セレブも多く別荘を構え、週末にはホームパーティーも多数開かれていて、そこで人脈を育むというのもNY流です。高級ビーチリゾート、ハンプトンで夏の休暇を過ごすということはニューヨーカーにとってステイタスともいえます。  

アップステート・ニューヨークも人気があります。車や電車で約1時間から3時間くらい行くと、湖や山など自然溢れるNY州の郊外に行けます。キャンプをしたり、カントリーハウスに滞在して大自然の中にどっぷりと浸かる。日々目紛しいスピードの中で生きているニューヨーカーにとって大事な時間なのでしょうね。  

 

友人たちがバケーションを楽しむ中、私はというと夫のアダムが来月、スタジオでの大きな展示を控えているため創作に忙しく、おとなしくマンハッタンで夏を過ごしているのですが、「どこかへ連れて行って〜!」という声がやっと届いたのでしょうか(笑)先日、日帰りでアップステート・ニューヨークのタリータウンにある古城ホテル(キャッスルホテル&スパ)に行ってきました。  

マンハッタンから電車に乗り、車窓からハドソン川の優雅な景色を眺めること45分。約120年前に建てられたスコットランド調の古城が姿を現しました。鳥たちが楽しくさえずり、緑に囲まれたあたたかくて静かなお城。聞こえてくる音、目に入る景色、味わうにおい、全てにおいて大都会マンハッタンと180度違っていて、まるで時間が止まってしまったような夢のような世界でした。プールサイドでリラックスしている人、ランチを楽しむ人、そしてスパで癒される人。  

 

古城ホテルから帰ってきて早速、友人ニューヨーカーの彼女に素敵な古城での話をしました。そして、「ニューヨーカーたちはストレスや疲れを上手に取って人生を楽しんでいるね〜」と話したら、

「そうよ、だって人生はエンジョイするためにあるからね〜!」と素敵な笑顔でニッコリ。  

次は彼女も古城ホテルでステイしたいという話から、人生の大切なことにまで話が弾んでいき、眠らないマンハッタンの夜が更けていきました。  古城ホテルでの滞在はつかの間の時間でしたが、エネルギーが満タンになりました。NYでまたひとつ、お気に入りの場所が増えました。

 

 

(日刊サン  2016/8/22)

 

大森 千寿
香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

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