香川県で生まれ育った私にとってのソウルフードは! そうです、讃岐うどんです。フォークやスプーンを持てるずいぶん前の幼い頃から、うどんを両手で握って食べている写真が残っているくらい、生まれてこのかたず〜っとうどんを食べて育ちました。昔は毎日お昼はうどんを食べていましたし、一日2食うどんでも全く飽きません。
先々週、NYから日本に戻り、翌日、まず向かった先はお気に入りのうどん屋さん、山田家。今ではうどんも海外でポピュラーになり、NYやハワイでも気軽に食べることはできるのですが、地元、香川で食べる讃岐うどんはやっぱり、全然違います。
香川県には、1000軒ほどのうどん屋さんがあるとか。そして、お昼の時間帯になると、ほぼだいたいのうどん屋さんはお店の外まで行列ができています。
NYへ帰ると、今度はNY生まれのアダムにとってのソウルフード、ベーグル屋さんへ直行です。ベーグルにクリームチーズを付け、その上にスモークサーモン、オニオンにトマトにケッパーを乗せて挟むのがニューヨーカーの定番だそうで、彼にとってのソウルフードのひとつなのだそう。
そして、NYピザもまたニューヨーカーにとっては欠かせないソウルフード。ニューヨークのピザ屋さんは香川県のうどん屋さんと同じく、ランチタイムになると長い行列ができます。ピザも、世界の至る所で口にできる食べ物ですが、アダム曰く、NYでしか味わえないスペシャルなピザの味があるのだとか。
忙しいニューヨーカーたちに一番人気は、”Slice”。ピザの上に具が何も乗ってないチーズとトマトソースだけのとってもシンプルなピザです。自分の顔よりも大きなピザを一枚、真ん中で二枚折りにして上手に片手でつかみ、それをかぶりつきながら街を歩いている人たちがランチタイムにはよく見られる光景です。
これまた香川県のうどん屋さんと同じく、マンハッタンにはたくさんのピザ屋さんがあります。たくさんありますが、これもうどんと同様、自分がどこのお店の味が好きかをよく把握して、お気に入りのお店をほぼ毎回リピートするというのがNY流です。
心が疲れた時や気分が落ち込んだ時、生きていると様々な一日があります。そんな時、昔から大好きで食べていたものや懐かしい味に触れると、人はお腹が満たされるだけでなく、心も満たされます。懐かしい過去の記憶から現在を経て未来に繋がる活力までも湧いてくる。そして、ホッと一息余裕が出てくるといつの間にか、元気が戻っていたりする…。
あなたにとってのソウルフードは何ですか?
(日刊サン 2016/7/12)
大森 千寿 香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。 |